沖縄には、五穀豊穣や無病息災などを願う伝統行事として、迫力満点の「綱引き」が各地で受け継がれています。中でも与那原・糸満・那覇の「三大綱引き」は、観光客にも人気の地域の誇りと熱気に包まれた必見のイベントです。
1.沖縄伝統行事・大綱引きとは?
2.沖縄三大大綱引き
┗与那原大綱曳まつり
┗糸満大綱引
┗那覇大綱挽
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沖縄伝統行事・大綱引きとは
全国的に綱引きといえば運動会などで競技として行われますが、沖縄の伝統行事「大綱引き」では、五穀豊穣、厄除け、子孫繁栄などを祈願する伝統行事として、巨大な綱を大勢の人が引き合う壮大なお祭りのことをさします。各地域で長年にわたり大切に受け継がれてきました。
大綱引きで使われる綱は、運動会の綱引きで使われるものとは比較にならないほど巨大で驚きます。綱の長さは数十~数百メートル、重いものだと重量40トンを超え、数百人から数千人が一斉に力を込めて引き合う様子はまさに圧巻です。
大綱引きでは、一般的に雄綱(東)と雌綱(西)の2本の先端に作られた輪に”カナチ棒”に差し込み結合させ引き合います。
綱引き自体を豊年祈願とする場合や、「東(あがり)が勝てば豊作、西(いり)が勝てば商売繁盛」などと勝敗で引き寄せる豊凶を占うなど、解釈・ルールは地域によって異なります。
大綱引きの前には、儀式のはじまりを知らせる太鼓や旗頭など、華やかな演出も見どころ。
当日参加で観光客も綱を引いたり、演出を見て楽しんだりできることから、沖縄の伝統文化を体感できる貴重な機会として毎年人気のイベントとなっています。
沖縄三大大綱引き
与那原大綱曳まつり
8月の夏休み期間中に開催される「与那原大綱曳まつり」。450年余の歴史を誇り、与那原町内最大のイベントです。県内で一番華やかで力強い綱は重さ約5トン、全長約180m。東(アガリ)西(イリ)に分けて曳き合い、当日参加で綱を曳くことができます。
本番前の会場まで綱が運ばれる「道ジュネー」も見どころの一つ。綱の上には、支度(したく)※が乗り、旗頭、金鼓隊と続いて、前舞いの女性陣が踊りながら綱を招きます。雌雄の綱が繋がった瞬間支度は飛び降り、綱曳きがはじまります。
※琉球の歴史上の人物に扮した青年のこと。
まつりは2日間に渡って開催され、綱曳は2日目の夕方に行われます。夜は花火が盛大に打ち上げられ、クライマックスを飾ります。
- 住所
- 沖縄県島尻郡与那原町与那原712 御殿山青少年広場(綱曳き会場)
- 備考
- 開催日 2025年8月2・3日
糸満大綱引
「糸満大綱引」は、糸満市で行われる秋の風物詩で、豊漁と無病息災を願い、続けられてきた伝統行事で、例年旧暦の8月15日(2025年は9月15日)に行われます。
太さ約1メートル、長さ約180メートル、総重量は5トンを超える巨大な綱。綱の長さは県下で最大級とされています。
糸満市役所前の大通りが会場となり、巨大な綱を挟んで東西に分かれ、一斉に綱を引きます。
旗頭と呼ばれる巨大な旗の演舞によって、祭りのはじまりを告げます。旗は各字ごとに趣向が凝らされ、地域の誇りを感じさせます。観光客も参加型の綱引きによって、会場全体が大盛り上がり!
終わった後は綱を分けてもらえる「綱分け」も人気。持ち帰った綱はお守りとして大切にするそうです。
- 住所
- 沖縄県糸満市糸満 糸満ロータリ~白銀堂(綱曳き会場)
- 備考
- 開催日 2025年9月15日
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那覇大綱挽
「那覇大綱挽」は、県内最大の綱引イベント。発祥は西暦1450年頃と古くから行われている伝統行事の一つ。平和安寧・市民繁栄・商売繁盛・家庭円満・子宝などの幸福を願われます。
重さ40トンを超える巨大なワラ綱はギネス世界記録にも認定されていて、国際通りでは旗頭行列、久茂地交差点周辺の国道58号線で行われる綱引では数千人が一斉に引き合います。アクセスが良く観光客の方も参加しやすい那覇大綱挽。このイベントに合わせて来る外国人観光客も多いのだとか。
2025年の那覇大綱挽まつりは、10月11日(土)〜13日(月)の3日間で開催され、大綱挽は12日(日)に行われる予定。
奥武山公園でも各種ステージイベントに打ち上げ花火など、多彩な催しが行われ、那覇全体がお祭りムードに賑わいます。
- 住所
- 沖縄県那覇市久茂地 国道58号線久茂地交差点(綱曳き会場)
- 備考
- 開催日 2025年10月11・12・13日