南国の小さな島・沖縄には、ちょっと不思議で魅力的な個性がギュッと集まっているのは、皆さまご存知のとおり。
そんな沖縄のユニークさを象徴するものの1つに、看板があります。沖縄に限らず、その土地ならではの看板って県民性を表しますよね!
今回は、筆者が沖縄を巡る中で出会った、個性的な看板や標識・キャラクターたちをご紹介したいと思います。
沖縄好きのアナタに送る“暇つぶしタイム”スタートです♪
<もくじ>
1.自然と共にいきる沖縄県民
2.癒し系ゆるキャラ(?)
3.愛すべき沖縄の心意気
4.沖縄の道端には「おもしろい」が転がっている!
1.自然と共にいきる沖縄県民
沖縄ならではの楽しみと言えば、青い海に代表される豊かな自然。
まずは自然と共に生きる沖縄の様子が良くわかる看板からスタートです!
沖縄の「危険な生き物」と聞いて真っ先に思い浮かぶのが“ハブ”。事実、沖縄県内では、今でも年間100人程度の人がハブに噛まれ病院にいくのだとか・・・。
小学生の子供たちが作る標語でも『横断歩道と不審者とハブには気をつけよう!』的なコトが書かれていたりします。
そんな事情もあって、アチコチで【ハブ注意】の看板を見つけるコトができる沖縄。ハブはうっそうと茂る草木がある場所を好むため、森や雑木林の入口には特に多くの看板が立てられています。
が、中には周囲がうっそうとなりすぎて、逆にもぅ何かの罠にしか思えないような看板も・・・
これでは、『あの看板なんだ・・・?』と確認しに行った先で、噛まれる危険性が高いのではないかと心配でしかたありません。
たとえ観光地であっても、無闇に森には入らないほうがイイです。本当に。
このように自然が豊かな分、日々の生活は色々な危険と隣合わせ。
でも危機と対峙しなければならないのは人間だけではありませんでした―――
この標識があるのは国道58号線を北端に近い場所、大宜味村(おおぎみそん)と国頭村(くにがみそん)の境界あたり。
沖縄本島・北部といえば、国の天然記念物に指定されている“やんばるくいな”の生息地としても有名。つまり、より豊かな自然がたくさん残っているというコト。
それは車が行きかう国道付近でも同じ。
この「カニ注意」の標識は『カニの通り道だから踏まないでね!気をつけて走ってね!』という意味です。
夏の時期になると子ガニを海に放すため、たくさんの親ガニが陸と海を行き来するのだそう。海に行くには国道を横断しなければならないため、多くのカニが交通事故にあっているのだとか。
そこで標識でドライバーに注意を促すとともに、カニが無事に道を渡れるよう、現在では「カニさんトンネル」なる物が国道の下を通っています。
これで多くのカニさんが安全に海へ向かうコトができるようになったみたい。良かった・・・。
ちなみに、カニさんトンネルを近くで観察したり、詳しい解説が書かれた案内板もあるので、皆様の自然学習にお役立てくださいませ。
他にも、良く見かけるのが「牛フン」や「鶏フン」を売ってるよーという看板。動物のフンを肥料として畑などに使うのが主な目的だと思われます。
まさに自然とともに生きる沖縄の、完璧なまでの循環型農業を象徴する看板です。
この写真の隣で売っている「無農薬野菜」も、きっと牛フンで育ったのでしょう(多分)。
ありがたい。
このように、沖縄らしさの一端を支えているのは美しく力強い自然なのです。
2.癒し系ゆるキャラ(?)
もちろん、沖縄には自然以外にも多くの特色があります。
青い海、リゾート地、国際通り、パイナップル、首里城、エイサー、ちんすこう・・・
『沖縄といえば?』と質問をすると、質問した人の数だけ答えが返ってくるのが沖縄。
そんな沖縄は、全国でも数少ない『ご当地キャラを必要としない県』というのはご存知でしょうか。「沖縄」と聞いてイメージできるものがたくさんあるから、わざわざご当地キャラを作る必要がないのだとか。
というわけで、沖縄のご当地キャラは存在感が薄いんです。
そして、その穴埋めをするかのように“謎のオリジナルキャラ(?)”が県内各地に散らばっています。その1部をご紹介。
コチラは沖縄屈指の観光スポット「海中道路」へ向かう道、県道37号線沿にいるキャラ(?)です。輝く海をバックに、唐突に出現します。
真っ赤なボディが青い海と空に実によく映えます。
沖縄の妖精「きじむなー」に見えなくもありませんが、金色の体毛みたいのは何だろう・・・
足と腕を結ぶ糸みたいなモノはなんだろう・・・
見ればみるほど、わからない。
筆者が現在確認したのは写真の2体。『交通安全』を謳っているのに、運転中に彼ら(?)から目が離せなくなります。ちょっと危険な2人。
漲る闘気を感じずにはいられないコノ子は、国道58号線沿いの「道の駅 ゆいゆい国頭」にいます。
『昭和63年元日辰生年祝記念』と刻まれた台座に、両の足で力強く立つ姿。多分ヤンバルクイナ・・・だよね?
周囲に詳しい説明は一切なく、彼(?)の詳細は不明。
でも、大きく見開いた瞳の先には、沖縄の明るい未来がある。私はそんな気がしてなりません。
3.愛すべき沖縄の心意気
沖縄のゆるキャラ(?)にすっかり癒されてしまいましたが、何よりも疲れたココロを癒してくれるのは、沖縄の人々の“心意気”なのではないでしょうか―――
特に沖縄のおじいちゃん・おばあちゃんが、元気で若々しいコトには度々驚かされます。
その秘密は何なんだろう・・・?と思ったら、国道58号線沿い「道の駅 おおぎみ」にこんな石碑を発見しました。
我は老いて ますます意気盛んなり
老いて子に甘えるな
長寿を語るなら我が村に来れ
自然の恵みと長寿の秘訣を授けよう
我が大宜味老人はここに
長寿日本一を高々に宣言する
(一部抜粋)
筆者が調べた範囲では、2016年現在、大宜味村は長寿日本一ではないようです。
ですが、石碑に高らかに宣言された言葉の勇ましさよ・・・。
将来、本気で大宜味村に移住しようかと検討してしまいました。
お次は、ツライことがあっても笑顔で乗りきるパワーを持つ、沖縄の県民性が垣間見えるコチラ。
(1)
『たとえ犬でも妥協は許さない。強い意志を持って生きろ』というメッセージを感じます。コレを見て、筆者は愛犬の教育方針を変えました。
(2)
おんなの駅「なかゆくい市場」のドアに貼られたメモ。ドアを行き来するだけなのに元気がもらえます。後ろにも何枚か紙が見えるので、別バージョンもあるようです。許されるならば、沖縄の相田みつをに認定したい。
(3)
周囲には何もない畑の真ん中に佇む「ケーキ」の看板。
逆境に負けず、自分の揺るぎない存在価値を信じることが大切だと感じます。
さぁ、どんどん行きましょう!
沖縄をドライブしていると
『うさぎあります』
『ヒヨコあります』
『ダチョウの卵あります』
といった看板を結構よく見かけます。
いかにも手書きだし、ちょっと怪しい雰囲気すら感じますが、数日後に前を通ると
『売切れです ゴメン』の文字が。
“ゴメン”のたった3文字に、沖縄県民の謙虚さと愛嬌を感じることができました。
怪しいとか言って、コチラがごめんなさい。
最後は、人と人との“絆”を大切にする沖縄県民のお話。
沖縄の人々は人間関係をとっても大切にします。
特に『一緒にお酒を飲めば仲間』という懐の深い人が多く、総じて皆お酒を飲むのが大好きです。
そういった理由だけではないと思いますが、沖縄のコンビニ行くと「さしみ」を見かけるコトが多々あります。もちろん「さしみ=刺し身」です。泡盛も置いてあります。
一期一会の出会いを、“縁”に、そして“絆”にするためにお酒を酌み交わす。
一見するとコンビニには似合わない「さしみ」ののぼり旗も、そのためにあると筆者は確信しています。
4.沖縄の道端には「おもしろい」が転がっている!
旅行中に何気なく見過ごす看板や標識にも、沖縄ならではの歴史・文化・県民性のアレコレが詰まっているのがお分かりいただけたでしょうか?
とはいえ、難しく考えるコトはありません。
沖縄の道端には『なにアレ?』って、思わず笑ってしまうおもしろい看板がいっぱいありますよ!
アナタもぜひ、おもしろ看板を探してみてくださいね♪