4.冬|沖縄の正月は3回くる
冬(12・1・2月)―――
短いぶん、いろんな楽しみが凝縮された季節。1月・2月はグッと気温が下がるけど、ダウンや厚手のセーターを着ていると汗ばむことも多い、そんな季節のお話。
ある冬の日。
夫:『今年も1年あっという間だったね』
妻:『年越しそばは、いつものお店で買っていこうか?』
夫:『いいね!ちなみに、おせちは何作る予定?』
妻:『今年も温かいぜんざいは作るよ~あとは沖縄と本土のハイブリッドで♪』
夫:『いいね!せっかくなら、我々も3回お正月する?』
妻:『なんて贅沢!』
それでは1つずつ説明しよう。
年越しそば
沖縄の年越しそばは、ご期待通りもちろん「沖縄そば」。いわゆる和蕎麦もありますが、沖縄そばの方が断然メジャーです。
一部の製麺所や沖縄そば店では、年末が近づくと『年越しそば あります』のポスターが張り出され、年末の風景に彩を添えます。
おせち
沖縄のおせちは“おせち料理”ではなく“重箱料理”です。シーミーや旧盆などでも活躍する沖縄の重箱料理。実は中に詰める料理が決まっています。
基本的には「海・天・地」の食材を使った9品と、餅だけが詰められた「餅重(ムチジュウ)」を用意します。早い話、田作り・黒豆・栗きんとんなど、いわゆる一般的なおせち料理は入っていません!
最近はデパートやコンビニで買える本土風のおせち料理や、揚げ物などのオードブル料理の方が人気のようですが・・・ラッキーな機会があれば、ぜひ伝統的な重箱料理もご賞味あれ。
温かいぜんざい
さて「ぜんざい」といえば関東・関西で多少の違いはあれども、小豆を甘く煮た冬には嬉しい温かいスイーツ。
しかし!沖縄通の皆様ご存知のように、沖縄のぜんざいはカキ氷の上に甘く煮た金時豆を乗せて食べる冷たいスイーツ。似て非なる全くの別物なのです!
沖縄にも温かいぜんざいがないわけではありませんが、かなりレア。お店で提供される場合は、わざわざ“温かい”を付けてメニューに記載されます。移住して3年目・・・気がつけば、すっかり沖縄県民気分の移住妻も“温かいぜんざい”と言うようになりました。
3回お正月
そう、沖縄には3回お正月があります。まずは新暦の1月1日(新正月)。次が旧暦の1月1日(旧正月)。そして旧暦の1月16日。
1月16日は「十六日祭(ジュウルクニチ)」「グソーヌソーグワチ」といい、あの世(グソー)のお正月です。十六日祭では、墓掃除をして重箱料理をご先祖様にお供えします。
新正月・旧正月・十六日祭、それぞれに伝統の行事や習慣があるため(帰省する人も多いです)、県外出身の移住妻は『沖縄の正月は長くていいなぁ』と毎年感じております。