自分のため、家族のため、夢のため―――
働く理由は、働く人の数だけある。でも多くの人にとって『仕事』とは、切っても切れない“人生のパートナー”のような存在。そして『職場』とは、そんな大切なパートナーが行きかう、まさに人生の交差点なのだ・・・。
ということで、沖縄を愛する皆様こんにちは。
“光陰矢のごとし”とは良く言ったもので、夫の一大決心によって沖縄に移住してから丸2年が経ちました。今日も元気な移住妻です。
南の島に移住したからといって海を眺めて過ごすわけにもいかず、せっせと働く移住妻&夫。周囲の人に支えられ、そこそこスマートに対応できるようになったとはいえ・・・沖縄のビジネスシーンにはまだまだ驚くコトや不思議なコトがいっぱい!
今回は、そんな沖縄でのお仕事を通して出会った「あるある話」をご紹介したいと思います♪
(※記事中の出来事は全て事実ですが、あくまでも移住妻&夫の視点から感じたものです。どうぞ悪しからずご容赦くださいませ)
<もくじ>
1.名字の存在感がとにかく薄い
2.初対面の相手と仲良くなるための鉄板ネタ
3.こんにちは赤ちゃん!命名札は給湯室へ!?
4.1番気まずいハプニング
5.ランチタイムをめぐる仁義なき戦い
6.笑顔になるなる、沖縄あるある
1.名字の存在感がとにかく薄い
ビジネスシーンにおいて、相手の識別には名字を使うのが一般的。たとえ仲の良い同僚や後輩であってもお仕事中は『○○さん』と名字で呼ぶことが多いのではないでしょうか。
まずは、移住妻&夫が最初に苦労した名前についてのお話から。
【ある日の電話】
妻:『宮城様にお電話つないでいただけますか?』
相手先:『どちらの宮城でしょうか?』
妻:『広報部の宮城様です』
相手先:『広報部に宮城は4人おりますが・・・』
妻:『だ、男性の宮城様です』
相手先:『男性の宮城は3人おりますが・・・』
妻:『ぁ、え・・・』
【ある日の風景】
先輩:『夫君、さっきの件ハナコさんに報告よろしく!』
夫:『はい、新垣さんですね(確認)』
先輩:『あと、タロウ君とミキさんにも資料渡しておいてね』
夫:『わかりました、大城さんと知念さんですね(確認)』
先輩:『ああ、そうだ!さっきヒロコ先生から電話があって、ヨシノリさんの件でヨウイチさんと話がしたいから、ユミさんとダイスケさんに・・・』
夫:『ぇ、あ・・・親泊先生が末吉さんの上江州さんで・・・え???ぇ?』
説明しよう。
職種・地域などによっては起こりうるかもしれないが、沖縄は職場や関係者内で名字が“かぶる”コトが非常に多い。そのためビジネスシーンにおいても、名字ではなくファーストネームをナチュラルに使う場面に良く遭遇するのだ!
とくに「沖縄のメジャー級名字」には要注意。名字だけで満足していると、自分も相手も混乱する事態を引き起こしかねない。名前はフルネームで!コレ鉄則。
慣れないうちは、ちょっと気恥ずかしい名前呼び。でも、ファーストネームで呼び合う仲は、相手との距離がグッと近くなって『なんだか心地イイなぁ・・・』と思う妻なのでした。
2.初対面の相手と仲良くなるための鉄板ネタ
取引先やお客様と会うとき、会話をつなぐ「世間話」はビジネススキルの1つ。一見必要ないものに思える“おしゃべり”も、ときに仕事を円滑に進めるための助けとなります。
お次は、初対面の際に高確率で使われる沖縄の鉄板ネタについて。
【ある日の風景】
夫:『はじめまして。本日はご足労いただきありがとうございます!』
相手:『はじめまして!夫さんはドコの出身ですか?』
夫:『あ、茨城生まれ千葉育ちですが・・・』
【ある日の風景】
妻:『はじめまして。本日はよろしくお願いします!』
相手:『はじめまして。ところで、妻さんのお祖父さんは糸満で学校の先生してました?』
妻:『ぇ、いや、祖父は教師ではない・・・はずです』
説明しよう。
恐らく沖縄県民は「出身地の話」をするのが好きだ。しかも出身「県」ではなく「市」や「町」、なんなら「字(あざ)」単位でまで掘り下げて話すのが好きだ。
自分のルーツを愛し・誇りを持っている“うちなーんちゅ”にとって「同郷」とは、初対面の相手を「旧知の友」に変える魔法の言葉。どう見ても沖縄美人ではない移住妻にも、同じ名字の知り合いがいれば『○○さんは親族ですか?』と尋ねてくれる心配りも嬉しい。
そんなワケで、初対面の挨拶のあとには『どこ出身?』から始まる“ゆんたく(おしゃべり)”タイムが始まり、ひとしきり盛り上がる。
もちろん、たとえ沖縄出身でなくとも、お互い生まれ故郷の話題は尽きることがない。だから結果的に、お天気の話題なんかよりずっと濃厚&印象深いコミュニケーションを楽しめるのだ!
沖縄県民の強い地元愛があってこその鉄板ネタが、とっても羨ましく感じる妻なのでした。
3.こんにちは赤ちゃん!命名札は給湯室へ!?
新しい命の誕生は、迎える家族も周囲の人もハッピーにしてくれる出来事。同僚や関係者の家に赤ちゃんが生まれたとき、お祝いを贈り『男の子?女の子?』『名前は決めたの?』なんて話題で盛り上がりますよね!
続いては、そんな赤ちゃんの命名札と給湯室に関するお話。
【ある日の風景】
同僚:『金城さんにの家、無事に赤ちゃんが生まれたって!』
夫:『おぉ~よかったですね!お祝い贈りましょう!』
↓後日。夫at給湯室
命名札:『命名 金城 花子』
夫:『・・・(なぜ給湯室に命名札が!?)』
【ある日の風景】
夫at給湯室
夫:『・・・(こ、これは!)』
命名札:『命名 知花 太郎』
夫:『総務部の知花さん、お子さん生まれたんですか?』
同僚:『そうそう!男の子だって~』
夫:『めでたい!(でも、なぜ給湯室に命名札が?)』
説明しよう。
出産内祝いには「命名札」がついてくるコトがある。職場でいただいた場合、沖縄では『給湯室に貼る』というパターンが多いのだ!
周囲の人に“なぜ給湯室なのか”聞いてみたが『そういうもの』という答えが返ってくるばかり。調べてみると『もらった命名札は台所に貼る』という風習があるようで、とくに北海道・九州・四国・沖縄には色濃く残っているのだとか。
(そもそも内祝いに「命名札」をつけない地域も多く、恥ずかしながら関東育ちの移住妻&夫はこの風習を知りませんでした・・・)
たしかに、沖縄にも琉球の時代から台所の神様(火の神様)を大切にする信仰がある。また「台所は人が集まり目立つ場所だから」という理由もあるらしい(※諸説あり)。そうか、だから給湯室なのかと妙に納得。
『子は島ぬ宝』。
給湯室にズラリと並んだ命名札は、なんとも幸せな光景。新しい命の誕生を喜び、健やかな成長を願う沖縄のあたたかい心を知った妻なのでした。
4.1番気まずいハプニング
クールビズが浸透し沖縄の「かりゆしウェア」も全国区になりつつある昨今。とくに沖縄の男性はビジネスシーンにおいて、1年の2/3は「かりゆしウェア」を着ているといっても過言ではありません。
お次は、そんな「かりゆしウェア」を巡る気まずいハプニングのお話。
【ある日の風景】
同僚:『おはようござい・・・・っ!』
夫:『あ、おはようご・・・・っ!』
同僚&夫『!!!(かりゆしウェアがかぶってるっっ!)』
【ある日のエレベーター】
乗り合わせた人&夫:『!!!(かりゆしウェアがかぶってるっっ!)』
説明しよう。
聞いた話によれば「かりゆしウェア」がかぶったときほど、気まずいコトはないらしい。(夫&知人Sさん談)
個性的で鮮やかな色のデザインが多い「かりゆしウェア」。
だからこそ、狭い空間に同じデザインの人が集結すると、まるで何かのイベントか、はたまたコンビのように見えてしまう。ましてや見ず知らずの他人とかぶった場合『同じっすね!』と談笑するわけにもいかず、なんとも気恥ずかしい空気が流れるのだとか。
かぶらないようにと、あえて2シーズン前のものを着たり、古着屋さんで「かりゆしウェア」を購入する人も多いという。
『かりゆしウェアって楽でイイよね!』と思い込んでいましたが、見えないトコロに苦労があったのだと知る妻なのでした。
5.ランチタイムをめぐる仁義なき戦い
う忙しく過ぎる時間のなか、働く人間にとって「ランチタイム」はホッと一息つける貴重な時間。最後は、沖縄県民のランチタイムにかける情熱についてのお話です。
【ある日のam11:30】
同僚A:『ちょっと席離れます』
同僚B:『Aさん、私のもお願い!』
同僚A:『はい!』
夫:『?』
↓数分後。
そこには2つの袋をさげる同僚Aの姿が!
【ある日のam11:00】
運転中の妻。
妻:『なんだか、やたら道が混んでる・・・』
↓数m後
そこには店前が大渋滞を起こしているお弁当屋の姿が!
【ある日のam10:00】
夫:『打ち合わせがあるので、○○会社に行ってきます!』
同僚A:『あ、夫さん待って!あっちに行くなら帰りに××のお弁当買ってきて欲しい!』
同僚B:『イイなぁ!私も!』
先輩:『あ、俺も』
上司:『私の分もお願いできるかな?』
↓帰社後。
そこには数人分のお弁当を抱える夫の姿が!
説明しよう。
沖縄県民はランチタイムを大切にする。そしてお弁当屋さんが大好きだ!
沖縄のお弁当屋さんは、味・ボリューム・価格その全てが三ツ星でなければ、うちなーんちゅに認めてもらえない(たぶん)。ゆえにコノ地にあるお弁当屋さんの多くが、幾多もの舌と胃と財布を喜ばせてきた百戦練磨の手練。
だからこそ、『お弁当を求める者』には情熱も求められる。
売切必至の人気メニューをゲットするため、美味しいお弁当をゆっくり味わうため、貴重なランチタイムを充実させ午後も仕事を頑張るために、12時前からお弁当屋さんに向かうのである!
食べることは生きること―――そう教えられた気がした妻なのでした。
6.笑顔になるなる、沖縄あるある
沖縄のビジネスシーンを切り取ってお送りしてきました、移住妻の沖縄あるある話。皆様、お楽しみいただけたでしょうか。
移住した当初は、慣れない仕事や環境に戸惑いたくさん失敗もしました・・・。でも、そんな時に『大丈夫!大丈夫!』と笑顔で手を差し伸べてくれるのが沖縄のステキなトコロ。
沖縄には「ゆいまーる」という言葉があり、お互いを助け合う精神が深く根付いています。移住妻にとってはコノ「ゆいまーる精神」こそ、1番の沖縄のあるあるです♡
さぁ、明日も頑張ってお仕事しよっと!
それでは、また。
移住妻でした!
筆者:mochiking