沖縄を愛する皆さん、ハイタイ!
同じ日本でも、土地が違えば言葉も変わる。
普段、何気なく使っている言葉が、違う土地では「なに?それ?」と言われる・・・なんて経験は良くある話ですよね。
夫の一大決心によって沖縄に移住すること早4年目。
すっかり『うちなーんちゅじらー(=沖縄県民気取り)』が板についてきた移住妻もうちなーぐち(=沖縄の方言)の奥深さに日々驚かされるばかりです。
そこで今回は、共通語(東京弁)を話すことウン十年の移住妻が『沖縄ではこう言うのね!』と感嘆した“ちょっと不思議で面白いうちなー方言”を選りすぐり、皆さまにお届けします!
(※記事中の出来事は全て事実ですが、あくまでも移住妻が聞いて・感じたものです。厳密には方言として分類されない言葉、また地域によって違う言葉もありますが『沖縄で良く耳にする言い回し』ということでご紹介させていただきます。どうぞあしからずご容赦くださいませ。)
<もくじ>
1. ネイティブ感が出せる言葉『チリ箱』
2. いざという時、間違えやすい『ひざまずき』
3. 逃げないから大丈夫!『つかまえる』
4. 車の免許が欲しい。そうだ『自練』へ行こう。
5. 『沖縄』はドコ?問題
6. アナタの一言が世界を変える!
1. ネイティブ感が出せる言葉『チリ箱』
移住妻としては「うちなーんちゅっぽい表現Best10」にランクインさせたい言葉。
沖縄に来てからというもの、『ゴミ』だと思っていたものが『チリ』と呼ばれている場面に良く遭遇します。埃や消しゴムのカスなどの小さなゴミはもちろん、包装紙や空き缶などの、わりとサイズ感があるゴミも『チリ』と呼ばれる。
ゆえに『ゴミ箱』これすなわち『チリ箱』。
もちろん「ちりとり」「ちり紙」などの単語から『チリ=ゴミ』と分かりますし、そこまで不思議に思わない方もいるかもしれませんが・・・とりあえず“コレ使ったら、うちなーネイティブ感がハンパない!”と感じている移住妻の独断と偏見で選びました。
《今日から使える!うちなーセンテンス》
例:『ついでにチリ捨てお願い!』
(ついでにゴミ捨てお願い!)
例:『あい、チリ箱どこね?』
(あれ?ゴミ箱どこだっけ?)
2. いざという時、間違えやすい『ひざまずき』
ご縁があって琉球舞踊のお稽古を見学していたとき、聞こえてきたのが『ひざまずき』という言葉でした。
ロマンティックな移住妻は、とっさに“王子様がお姫様にするアレ”もしくは“男性がプロポーズするとき指輪をさし出しながらするアレ”を想像しましたが、沖縄では『ひざまずき』=『正座』のことだと教えてもらい、ホッと胸を撫で下ろしたのを覚えています。
だってもし沖縄での意味を知らず、誤解したまま『ひざまずき』していたら・・・数年間はどうしようもなく恥ずかしい思い出に苛まれていたに違いありません。
《今日から使える!うちなーセンテンス》
例:『ひざまずきしなさい。』
(正座しなさい)
3. 逃げないから大丈夫!『つかまえる』
パッと言われると、ちょっと戸惑うのが『つかまえる』という言葉。つかまえる=持っているという意味で使われています。
手にした荷物を差し出され「コレつかまえてて!」と言われると、小心者の移住妻は「え?何が入ってるの!?」と、思わず身構えてしまいます。
《一緒に覚える!うちなーセンテンス》
(コップなどの飲み物の中身を)捨てる =『こぼす』
※『つかまえる』『こぼす』は、沖縄以外にも使う地域があるようです。
『つかまえる』には“手に握って離さないようにする”、『こぼす』には“傾けて流し出す”といった意味があるので、ものすごく特別な使い方ではないのですが・・・慣れていないと、やはり不思議に聞こえるものです。
4. 車の免許が欲しい。そうだ『自練』へ行こう。
沖縄は言わずと知れた車社会。免許が取れる年齢になると、沖縄の若者たちはクチを揃えてこう言うのだ―――そうだ『自練』へ行こう―――
・・・『自練(ジレン)』って何だ?
『自練』=『自動車練習所』の略。
そもそも免許取得のために通う場所といえば『自動車教習所』『自動車学校』が一般的で、『自練』は公安委員会の指定でない非公認の自動車学校のコトを指します。筆記試験だけでなく技能試験も試験場で受験しなければならない『自練』は、『教習所』や『学校』よりも免許取得までのハードルが高いのだとか。
とは言うものの、沖縄で『自練』と呼ばれている場所のほとんどが、実は『教習所』や『学校』と同じ公安委員会指定の施設です。『自練』と呼ばれる理由、これには沖縄の歴史が関係しています。
そもそも教習所や学校と名乗るためには、専門資格を持った人材が必要です。しかし戦後~本土復帰前後の沖縄では、練習用のコースは作れても人材を確保することが出来なかったため、そのほとんどが『自動車練習所=自練』だったそうです。
今でも沖縄で『自練』と呼ぶ人が多いのは、その名残から。独特の呼び方にも、沖縄が歩んできた激動の時代が深く関わっていたのだと知ると、なんだか感慨深いものがあります。
《今日から使える!うちなーセンテンス》
例:『学校卒業したら自練に通うんだ!』
(学校卒業したら自動車学校に通うんだ!)
5.『沖縄』はドコ?問題
沖縄の離島へ行くと「沖縄から来たの?」と聞かれることがあります。
「あれ?ここも沖縄だよね?」と一瞬迷子になりますが、離島では沖縄本島のコトを『沖縄』と呼ぶって知っていれば、もう大丈夫です!
そうだよ。だって、そもそも文化・慣習、言葉さえも各地域によって全然違うのに、それをヒトコトで“沖縄”と括ってしまうのは無理があるもの。“ありがとうございました”の言葉ひとつ取っても
『にふぇーでーびたん(那覇ことば)』
『にーふぁいゆー(八重山ことば)』
『ぷからっさ たんでぃがーたんでぃ(平良ことば)』
と、この違い。ある意味で異文化コミュニケーションのレベルだもんね!などど、移住妻は勝手に推測しております。《一緒に覚える!うちなーセンテンス》
■ないちゃー = 内地に住んでいる人(沖縄県外の人)
■やまとんちゅ = 大和に住んでいる人(沖縄県外の人。昔の大和人が由来)
■しまないちゃー = 沖縄へ移住してきた人(都会人気取りしているうちなーんちゅに対して使われることも)
※以前は、これらの言葉をネガティブな意味で使うこともありましたが、現在では多くの人が親しみをこめて使っている言葉です。
ちなみに沖縄県民は出身地の話が大好き。初めて会う人との会話は、なかなかの高確率で「やまとんちゅね?」「出身はどこね?」から始まります。
6. アナタの一言が世界を変える!
たった一言の挨拶でも、耳にすれば心が温かくなる。
たった一言の挨拶でも、口にすれば親しみを感じる。
言葉は、とても簡単で、とても優秀なコミュニケーションツール。恥ずかしがらずに「ハイサイ!(女性ならハイタイ!)」と挨拶してみれば、きっと新しい出会いが、新しい旅が広がっていくはず。せっかくの沖縄旅行、思い切ってうちなー方言デビューしてみませんか?
それでは皆さま、またやーたい♪
筆者:mochiking