2019年10月31日、首里城で起こった火災は日本中に大きな衝撃を与えました。
那覇のシンボル、そして観光の目玉として多くの人が親しんだ首里城。
現在は復興工事が着々と進められ、2020年6月1日からは一部(無料エリア)が解放。
今後は復興の様子も見られるようにと準備が進められています。
本記事1章では火災前の首里城について詳しくレポートしています。
大変紛らわしく恐縮ですが、復興完了後の首里城との比較のため、当面そのままの状態にさせていただきたいと思っています。
2章以降、首里城周辺の観光プランについては、ぜひご参照いただけますと幸いです。
西のアザナから見える、那覇の街の夕空は今も昔のまま。
かつての首里城に思いをはせつつ、復興後また訪れられる日を待ちましょう。
<目次>
1 首里城公園とは?(火災前の情報です)
1-1 首里城の歴史
1-2 首里城公園のみどころ
1-3 首里城公園の歩き方
2 首里城公園周辺オススメスポット
2-1 ランチするならここ!琉球茶房「あしびうなぁ」
2-2 「首里琉染」でサンゴ染め体験
2-3 雰囲気溢れるお散歩道「金城町石畳道」
2-4 首里城公園基本情報
3 さいごに
1 首里城公園とは?(火災前の情報です)
首里城公園とは、戦後に崩壊してしまった文化遺産の修復、そして伝統技術の継承と発展を目的に建設された歴史公園。
毎年伝統的なお祭りが開催されたり、地元沖縄県立芸術大学の学生によるコンサートが開かれたりと沖縄文化を身近に感じることが出来ます。
公園周辺の一部は那覇市の「景観形成地域」に指定され、首里城の景観を壊さぬよう、家屋には赤瓦が用いられ、石畳が敷かれた小道などもあります。
歩いているだけで、沖縄の昔ながらの良さが感じられるスポットです。
1-1 首里城の歴史
首里城は14世紀の始め頃に建てられたと言われていますが、はっきりとした年代は分かっていません。
1429年から約450年間続いた琉球王国の国王一族が住む王宮、政治の中心、中国との外交貿易を行う場所として、様々な機能を果たす重要な役割を果たしていました。
その影響を受け、お城の色に高貴の象徴である朱色が塗られていたり、正殿にも国王を表す龍や富の象徴とされる牡丹の花などがあしらわれています。
また、首里城は2000年に「琉球王国の城及び関連遺産群」の一部として世界文化遺産に登録されました。
関連遺産群は全部で9つあり、その内の首里城跡、園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)、そして玉陵の3つは首里城公園内で実際に見ることが可能です。
なお、現在の首里城は1992年に復元されたもので、実はこれまでに4回もの火災の被害を受けています。
正殿などの建物は復元されたものであり、実は世界遺産ではありません。
1-2 首里城のみどころ
首里城公園には、無料エリア・有料エリアの2つのエリアに分かれています。
無料エリアは、守礼門から正殿がある高台に登った正殿入口(=奉神門)の手前までのエリア。
世界遺産の一部として認定されている「園比屋武御嶽石門」を始め、首里城資料館、展望台、休憩所、お土産屋などに入ることが出来ます。
有料エリアは奉神門から入った一体のエリアで、正殿を始めとした琉球時代の姿を再現した建築物を見ることが出来ます。
正殿の中に世界遺産「首里城跡」もあるので、ぜひ探してみて下さいね。
どれだけじっくり見るかで個人差もあるかとは思いますが、無料エリアだけ見学するなら、30分。
有料エリアと無料エリアを合わせて見学すると1時間半ほどかかります。
滞在時間に合わせて、どこを見るのか予め決めておくと良いかもしれません。
以下では、筆者が独断で選んだ首里城公園内のオススメの歩き方をご紹介させて頂きます!
1-3 首里城公園の歩き方
スタンプラリー:無料エリア+有料エリア
首里城公園をくまなく見学したい!そんな方にオススメしたいのがスタンプラリー。
(※スタンプラリーの台紙は「首里杜館(すいむいかん)」の1階、レストセンターで貰えます。)
全部で25ヵ所のスタンプポイントがあり、有名な建物の前でぺたぺた押しながら回っていきます。
場所によってはクイズが課されているところもあるので、身の回りのヒントを参考に答えてみましょう♪
ゲーム感覚で回れるので、お子様にも楽しんで参加出来ますよ。
スタンプ10個で記念シール、スタンプ10個に正殿スタンプにクイズに挑戦で記念シールとミニファイル、全部貯めるとそれにキッズガイドと国王印が貰えるそう!
所要時間は10個だと大体30分、全部だと90分程かかります。
ちなみに筆者は、記念シールとミニファイルをゲット!本当は全部集めたかった・・・。次回に期待です(泣)
鎖之間:有料エリア
首里城内は坂道や階段も多いので、気付いたら意外と疲れていたりします。そんな時にもってこいなのが「鎖之間(さすのま)」です。
鎖之間は、かつて王子様がお客様をおもてなしする場として使われた施設。
綺麗な琉球庭園を眺めながら伝統的な沖縄菓子と温かいさんぴん茶を頂くことができ、鎖之間の歴史やお菓子の説明などもしてくれます。
お菓子の種類は花ぼうる・くんぺん・ちいるんこう・ちんすこうの全部で四種類。どれも美味しく頂きました。
お茶はお代わりOKで、お茶碗が空くとすぐにつぎに来てくれますよ。
鎖之間は有料エリア内にありますが、お値段はお一人当たり310円。お時間があれば是非、立ち寄って頂きたいオススメスポットです。
西のアザナ:無料エリア
夕方を過ぎると辺りは暗くなり、首里城も夜の雰囲気に包まれていきます。
首里城見学が終わった後、直帰せずにちょっと立ち寄ってもらいたい。そんなスポットが「西(いり)のアザナ」です。
筆者が訪れた日はお天気がよく、美しい日の入りを見ることが出来ました。
太陽がちょうど雲に隠れてしまっていますが、街と雲のコントラストがとっても綺麗ですよね。
ちなみに無料エリアにあるので、誰でも見ることが出来ます♪
筆者が訪れたのは12月だったので、18時半という早い閉館時刻でした。
首里城の営業時間は時期によって異なるので、事前にチェックされてから行くことをオススメします!
デートの締め・思い出づくりにぴったりですよ。
※首里城の基本情報は記事の一番最後に記載させて頂いておりますので、併せてご確認下さい。
2 首里城公園周辺オススメスポット
せっかく首里まで来たのに、首里城だけを見て帰るのはもったい無い!
そんな思いから首里公園エリア近辺をぷらぷら散策してみました♪
2-1 ランチするならここ!琉球茶房「あしびうなぁ」
首里城近辺のおしゃれな場所かつ沖縄料理が食べられる場所はないかなーと探していたところ、見つけたのが「あしびうなぁ」。
築60年の琉球づくりの古民家を店舗として利用し、落ち着いた雰囲気が特徴。
また、縁側席では中庭を見ながらお食事を頂くことができ、昔ながらの沖縄の情緒を存分に味わえるところもポイントです。
立地は、守礼門から歩いて5分くらいの場所にあります。
この日(12月中旬)は平日のちょうど12時半頃、店内はかなり混みあっていましたが5分程で縁側の角席に案内されました。
屋内にも50席以上あるので、雨の日も安心です。
少し汗ばむくらい暑かったので冷たい「うっちん茶」(=うこん茶)を一杯。
温かいさんぴん茶のポットもテーブルに置いてあります。
お食事は沖縄そばを始めとした郷土料理がメインのラインナップ。今回筆者は、名物の「イカ墨焼きそば」を注文してみました。
うっちん茶を含めソフトドリンクは全て300円、イカ墨焼きそばは650円(共に税別価格)です。
10分程するとイカ墨焼きそばが来ました!
真っ黒な麺に、大量のもやし・にら・のりがのっています。イカの身もたっぷりです。全て美味しく頂きましたよ。
お洒落な雰囲気に美味しいご飯に大満足でした!
【琉球茶房 あしびうなぁ】
住所:沖縄県那覇市首里当蔵町2-13
TEL:098-884-0035
営業時間:(ランチ)11:00~15:00
(ディナー)17:00~23:00(L.O.22:00)
定休日:旧盆・研修日(事前告知)
駐車場:(ランチ)1時間無料
(ディナー)時間制限なし500円
2-2 「首里琉染」でサンゴ染め体験
首里城公園の守礼門から歩いて約5分。
お昼ご飯を食べたあしびうなぁからは、歩いて約10分程。首里高校のすぐ隣。
大きな屋根と立派な門構えが特徴の「首里琉染(しゅりりゅうせん)」。
【首里琉染の生い立ち】
戦後になって、紅型(びんがた)は天然染料ではなく人工の染料を使い始めました。
それによって伝統工芸の質の低下を危惧した染色作家山岡古都が、紅型の将来を案じ私財を投じて開設した工房。
また、サンゴ染めを考案したのも創立者の山岡古都です。
1階は、オリジナル商品の販売エリアになっていて紅型の風呂敷やハンカチ、サンゴ染めの巾着やポーチなど、目白押しのラインナップ。
サンゴ染めとは、化石になったサンゴ(=染め型)の上に布を置いてインクを付けた布でこすり合わせることによって、模様を浮き上がらせるという「首里琉染」独特の手法です。
3階にある紅型工房も無料スぺースなので1階のように自由に見学することが出来ますよ。
1枚の布の長さは13mもあり、天井にまで渡って布が掛けられています。
色鮮やかでとっても優雅ですよね。
今回筆者のお目当ては、2階の体験コーナーで出来るサンゴ染め体験。
サンゴを染める布地は風呂敷、てぬぐい、トートバッグ、Tシャツなど、お好みのアイテムから1点を選択。
スタッフの方が丁寧に染め方を教えてくれるので、初めての人でも心配無し!
このようにサンゴに布をあててゴシゴシこすりつけると、模様が浮き上がってきますよ。
インクなどを混ぜ合わせて、グラデーションにするとよりオリジナリティの溢れた作品になります。
完成品はこちら☆
お値段は大人一名3,300円、子供2,750円。(サンゴ染め・紅型共に同料金)
時間制限などは特に無いので納得が行くまで思い思いの作品を作れます!
ちなみに、平均的な体験時間ははやくて40分長くて1時間半程とまちまち。
〇〇体験って色々ありますが、サンゴ染めは「首里琉染」でしか出来ないので周りと少し違った体験がしたい!そんな方にオススメです。
【首里琉染(しゅりりゅうせん)】
住所:那覇市首里山川町1-54
TEL:098-886-1131
営業時間:09:00~18:00
体験開始時間:9:30 / 11:00 / 12:30 / 14:00 / 15:30
定休日:なし
駐車場:5台まで(満車の場合は近隣の有料駐車場へ)
ネット予約:世界にひとつだけ!化石サンゴを使用した、サンゴ染め体験
2-3 琉球の雰囲気溢れるお散歩道「金城町石畳道」
首里城の守礼門から10分程歩いたところにある「金城町石畳道(きんじょうちょういしだたみみち)」。
琉球時代の16世紀前半に作られましたが、第二次世界大戦の被害からも逃れ本来の姿を楽しむことが出来ます。
筆者が訪れた頃は、既に夕方の6時を過ぎていたので道が少し暗くなっていました。外灯も少ないので、お昼頃から夕方にかけて行くのが良いかもしれません。
また、坂道はかなりの急勾配なので歩きやすい運動靴で行かれることをオススメします。
道脇には、民家があって普通に人が生活しているので、静かに楽しみましょう!
よければこちらも参考にしてみて下さいね
⇒写真で旅する沖縄♡首里の石畳で「イイね!」といわれる1枚を撮る方法
【首里城周辺オススメスポットの地図】
2-4 首里城公園基本情報(料金・営業時間・施設概要)
【車でのアクセス】
那覇空港から 約10km 約40分~60分
那覇市内(国際通り 三越前) 約4km 約15分~25分
識名園から 約3km 約10分~20分
【駐車場】
■駐車料金
車種 1回分料金
大型車 960円
小型車 320円
駐車場はインフォメーションセンターの「首里杜館(すいむいかん)」の地下1・2階にあり、大型車46台、普通乗用車は最大116台の駐車が可能です。
【ゆいレールでのアクセス】
ゆいレール「首里駅」から徒歩約20分・「儀保駅」から徒歩約26分
※ゆいレール儀保駅・首里駅からのアクセス方法はこちらもご参考に!
⇒首里城へのアクセス|ゆいレール駅から首里城へ!迷子にならないルート、教えます
首里城公園は月ごとに営業時間が大幅に異なるので、事前にチェックしてから行きましょう!
施設概要は以下の通りです。
※2020年5月時点では無料エリアのみ解放中
【入館料金】
■有料エリア対象区域
大人 中人(高校生) 小人(小中学生) 6歳以下
一般(20名以下) 820円 620円 310円 無料
※ゆいレールでフリー乗車券を購入し、首里城公園券売所窓口でチケットを提示すると割引料金が適用されます。
【施設情報】
■開園時間(無料エリア)
4~6月: 08:00~19:30
7~9月: 08:00~20:30
10~11月: 08:00~19:30
12~3月: 08:00~18:30
※有料エリアの開館時刻は、閉園時刻30分間まで
■閉館日 7月の第一水曜日とその翌日
■電話番号 098-886-2020
■住所 〒903-0815 沖縄県那覇市首里金城町1-2
より詳しい情報をご希望の方はこちらから
3 さいごに
いかがでしたか?
首里城をはじめ様々なスポットをご紹介させて頂きましたが、昔ながらの沖縄の良さを感じられるスポットが多々あり、新しい発見が出来たかと思います。
少し脇道逸れて楽しむのも旅の醍醐味、ぜひ首里へ訪れた際は一歩足をのばして散策してみて下さいね♪