亜熱帯地域で栽培されている「ローゼル」は、栄養価が高く、美容効果にも期待ができるハーブの一種。
沖縄本島から約100km離れた久米島でも10年以上前から作られ、空港やホテルではローゼルティーやキャンディが販売されています。
そんなローゼル栽培をはじめたおばぁの民宿では、ローゼル収穫をはじめ、ジャム作りが体験可能。
はじめはわざわざ久米島でジャム作り?と思ったものの、じっさいに参加してみると思いのほか楽しかったのです。
沖縄らしい雰囲気の中、おばぁとゆんたく(おしゃべり)しながらのジャム作りは、ゆったりとした島時間を過ごしたい方にはピッタリと言えるでしょう。
<目次>
1. おばぁの車に乗って畑へ!ゆんたくしながら収穫体験
2. いざローゼルジャム作り!次から次へとおやつが登場
3. おわりに
1. おばぁの車に乗って畑へ!ゆんたくしながら収穫体験
ローゼルジャム作りの体験をしに訪れたのは、久米島の民宿「リゾートハウスみなみ」さん。
女将である与座さん(以下、おばぁ)を筆頭に家族で切り盛りをしてらっしゃるアットホームな雰囲気のお宿です。
ご挨拶をし、さっそくおばぁの車に乗って畑へ。
ローゼルの旬は11月中旬から12月の間。筆者が訪れた日は1月の下旬だったので、畑だけ見せてもらうことになりました。
(旬のシーズンに訪れれば、収穫体験も可能。)
畑へ向かう道すがら収穫されたさとうきびの束を横目に、沖縄らしいのどかな道を進んでいくこと数分で到着。
ちょうど腰くらいの高さの木々が無数に並んでいます。
枝先に付いている少し黒みがかった赤い実がローゼル。
大きさも形もイチゴによく似ていて、ガクという花びらを支える部分が食用です。
前述した通りローゼルの旬は11月中旬から12月のわずか1ヶ月程度。
無農薬のため時期を過ぎると、アブラムシが付いてしまいます。
この鮮やかな赤はアントシアニンの成分によるもので、疲れ目や疲労回復にてき面。ビタミンCやクエン酸も豊富で、美肌にも効果があります。
寒さに弱く、食用に大きくするには、暖かい土地でないと育たないそうです。
ひと通り畑を見て回ったら、おばぁの友人宅の家庭菜園にお邪魔することに。
この後いただくお茶用のハーブを摘み取りに行きます。
「いつもと違う道から来たから曲がり角間違えたかも~」と言いながら、住宅街をゆるゆる進みます。
久米島の住宅街では、いまでもフクギが健在。
人が住んでいる古民家も多く見受けられ、ひと昔前の沖縄にタイムスリップしたかのような気分です。
そんな道を進んでいくことおよそ5分程度で、無事おばぁの友人宅に到着できました。
フクギに囲まれた畑には、ぎっしりの作物。あぜ道に無造作に生えている植物もハーブ。
その他キャベツや大根といった野菜をはじめ、マンゴー、健康に良いノニなどたくさんの植物が植わっていました。
ハーブティー用のレモングラスを収穫、色鮮やかなものを選びます。
ハーブだけいただくのかと思いきや「ハンダマもキュウリも持ってって」とおばぁの友人。想像よりも多くの野菜で、収穫かごがいっぱいになりました。
気付いたら長居し過ぎてしまったので、急いで民宿へ帰ります。
2. いざローゼルジャム作り!次から次へおやつが登場
収穫のあとは民宿に戻って、さっそくローゼルジャム作りの開始!
前述した通り、旬のシーズンを過ぎてしまったので、この日は冷凍ローゼルを使いました。
材料はローゼルのガク1kg、砂糖500g、水150gに、仕上げに加えるシークワサー果汁少々といたってシンプル。
熱した鍋に種を取り除いた冷凍ローゼルを1kg入れたら、水を150cc加えます。
少し時間が経つとこんな感じ。
そこへ砂糖を500g少しずつ加え、煮詰まりすぎないように気を付けながらひたすらかきまぜていきます。
アクをすくいながら10分この作業を続けると・・・。
この通り一枚目の写真からは想像できないほどかさが減って、見るからに濃いのが分かりますよね。
火を通すと酸味がまして、トロみが加わるのもローゼルの特徴なんですよ。
仕上げににシークワサー果汁をスプーン1杯ほど入れたら完成。
ジャムを冷ましていると、畑で収穫したレモングラスでお茶を準備してくれていました。
煎じている間にササっとサラダまで。
こちらも採れたてのハンダマときゅうりが使われています。
気付いたらテーブルが埋め尽くされ、ティータイムのはじまり。
おばぁの手際の良さに脱帽です。
できたてのローゼルジャムは甘みと酸味のバランスが絶妙! 梅のような華やかな風味がほんのり広がります。
サクサクのクラッカーにトロみのあるジャムの相性は抜群。サラダも野菜ひとつひとつの味が濃く、とっても美味です。
レモングラスティーは主張が強いんですが、青臭さがなく上品な味に仕上がっていました。やっぱり採れたてには敵わないな~。
ちなみに写真右下にある黄色い果実はシークワサー、完熟するとこのような色に変色するのだそうです。
美味しくいただいたところで最後はジャムを専用の容器に移す作業へ。
持ち帰りに便利なビニール素材なのが助かります。
これに専用のラベルを貼ったら、オリジナルローゼルジャムの完成。
売り物みたいな仕上がりで何だか嬉しくなっちゃいました。
ヨーグルトにかけたりするのがおすすめだそうなので、帰ったら試してみようと思います♪
3. おわりに
ジャムを作るだけかと思いきや、野菜を収穫したり、サラダや3種類ものハーブティーをいただいたり。これだけで立派なランチに(笑)
じっさいにいただいたローゼルティーやジャムのほか、キャンデイーもあり、ホテルや空港など至るところで売られています。
季節限定のローゼルジャム作り以外には、サーターアンダギー作り(2,160円/1人)なども体験できるのだそう。
揚げたてのサーターアンダギーは、売り物とは比べ物にならないほど美味しいのだそうです。
ジャム作りが楽しかったのはもちろんですが、地元のおばぁとのふれあいがより有意義な時間にしてくれたと思います。
のんびり「島時間」ってこういうものなんだなぁ、と実感できた体験でした。
久米島へお越しの際はぜひ体験してみてはいかがでしょうか?
<リゾートハウスみなみ> 住 所:〒901-3107 沖縄県島尻郡字謝名堂 548-14 電 話: 098-985-8021 営業時間: 12:00~20:00 駐車場:なし(宿から徒歩1分の町営駐車場をご利用ください) 公式HP:http://www.ryucom.ne.jp/users/minami/ |