沖縄の道を歩いていると、ところどころで目にする「石敢當」という三文字の石碑。
表札でもなく、定礎でもなく、何のためにあるのか不思議に思っている方も多いのではないでしょうか?ご察しのとおり、沖縄の文化に深く根付いたものなんです。
今回は、そんな「石敢當」について徹底調査!「石敢當」の由来などをお教えします。
<目次>
1. 石敢當ってそもそもナニ?
2. 正しく置いて魔物をやっつけよう!
3. おわりに
1. 石敢當ってそもそもナニ?
「石敢當」はいしがんとうと読み、沖縄で古くから信じられている魔物=マジムンを撃退する、魔除けの役割を果たす石碑。
マジムンとは、沖縄で言い伝えられている魔物の総称で、股をくぐられたものは死んでしまうという迷信があります。種類はさまざま、動物の身なりをしたものがほとんどですが、中にはしゃもじが悪霊化したものもあるそうです。全てのものには神が宿っている、八百万(やおよろず)の神の考え方に通ずるものでしょうか。
マジムンは直線方向にしか道を進めず、曲がることができません。そのためT字路やY字路にぶつかるとそのまま家に入ってきてしまいます。それを防ぐのが、石敢當。そもそも石敢當とは琉球時代から交流のある、中国の福建省から伝来したもの、強い武士の名前にちなんでそう呼ばれています。言い伝えは諸々ありますが、石敢當という名前を見ておののいたマジムンが砕け散ってしまうそうなのです。
名前を見ただけで砕け散るって、悪霊とは思えない弱さを感じますよね(笑)以前久米島で見た石敢當は、なんと文字すら刻まれていない、一見するとただの石。
これでもしかるべき場所に配置すれば、魔除けの役割を果たすというのだから驚き!石の下にそれを支える台座があるか否かで、石敢當か見分けることができるんです。
ちなみにこの自然石が石敢當の最初のカタチで、今の漢字が彫られているものは、比較的新しいデザインなのだそう。
他にもプラスチック・ガラス・木板・壁に直接かかれたものなど、さまざま。
石敢當はホームセンターをはじめ、街中のお土産屋さんでも簡単に手に入ります。
お値段は1,000円代のものから、30,000円を越えるものまでピンキリ。
ちょっと珍しいお土産にも良いカモしれません。
2. 正しく置いて魔物をやっつけよう!
置き方や方角についてですが、前述したとおり魔界と繋がりやすくマジムンが突き当たる、場所に置けばOK。T字路や三叉路、十字路が一般的。
今日では交通安全祈願にも役立つとされていることから、車がぶつかりやすい車庫の入り口に置く家庭も増えてきています。
さらに沖縄には石敢當以外にも、様々な魔除けがあるんです。
ご存知シーサーをはじめ、ススキの葉先を結んで作られるサンなど、いずれも玄関の両脇に置くことによって魔物の侵入を防御。また外からの目隠しの役目を果たすヒンプンも、魔物を跳ね返すもの。
こうした植木をはじめ、石垣・コンクリート・石灰岩など素材もさまざま。こちらのスイジガイだって立派な魔除け。
水を連想させることから、火にまつわる災害も避ける役目を果たすのだそう。
そういえば沖縄ではくしゃみをしたら「クスケー」と言う習慣があるんですが、これもマジムンから魂を奪われないための対策。
「クスケー」というのは、簡単に言うと「〇ソ食らえ」という意味。
汚い言葉でののしるとマジムンが傷付いて、魂を奪わなくなるんだとか。
前述した名前を見るだけでおののいたり、暴言で傷ついたり、本当に悪霊なのでしょうか。
謎は深まるばかりですが、このマジムンたち、そこまで悪い奴らではなさそうです。
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3. おわりに
古くから沖縄の人は魔の力を恐れ、目に見えないからこそ、いつ何時襲い掛かるかわからないと考えていました。その結果、こうして二重・三重と対策を打ってきたのだそう。
いまなお「魔除け」文化が色濃く残っているのも、沖縄ならではなんだと、改めて実感。
とはいえ、あれこれ調べていたら、何だか私まで怖くなってきました。
マジムンに股をくぐられないよう、しばらくは内股で歩いてみようと思います・・・。