沖縄に流れる、ちょっと特別な空気感。
青い海、南国の広い空、温かい人々―――理由はいっぱいあるけれど、アナタが感じている“ソレ”は、もしかしたら沖縄の「チャンプルー(混ぜこぜ)文化」が引き起こしているのかも!
沖縄を旅する途中で出会う、沖縄文化とアメリカ文化の不思議なチャンプルー。
今回は、その面白くて魅力的な、沖縄に根付くアメリカ文化について掘り下げていきます!
<もくじ>
1.沖縄にステーキ店が多い理由
2.「ドライブスルーでハンバーガー」が沖縄スタイル
3.ミニコラム|沖縄にはアメリカ文化がいっぱい!?
4.何語?カタカナ?沖縄の不思議な地名
5.憧れの外人住宅は、新・おしゃれカルチャー発信地
6.楽しいチャンプルー文化を召し上がれ
1.沖縄にステーキ店が多い理由
沖縄にはステーキ店が多い。
そして、沖縄県民はステーキが大好きだ。
子供も大人も、おじいちゃんもおばあちゃんも、大きなステーキを前にニコニコ食べる姿は沖縄の日常風景。そんな沖縄県民のステーキ愛は、いまやすっかり有名となり「お酒の〆にステーキ」という“沖縄あるある”も全国区となりました。
沖縄のステーキ文化、そのルーツはアメリカ統治下時代。主にアメリカ人向けとしてステーキを出す飲食店ができたことが始まりです。
もともと沖縄には、豚肉やヤギ肉を好んで食べる「肉好き」という地域性があり、牛肉が受け入れられた一因と考えられているそう。
旅行中においしいステーキが楽しめるのも、沖縄県民のお肉愛のおかげかも。この島では今日も、老舗から新店まで実にバラエティー豊かなステーキ店が、肉好きのアナタを待っています。
2.「ドライブスルーでハンバーガー」が沖縄スタイル
え?そんなの当たり前?
いえいえ、沖縄の「ドライブスルー」は、ちょっと違うんです。
沖縄のご当地ハンバーガー店といえば「A&W(通称:エンダー)」や「Jef(ジェフ)」を知っている人も多いはず。その一部店舗では、新鮮なのに懐かしいアメリカンレトロ・スタイルなドライブスルーを体験することができます。
駐車場に車を停めます。
窓を開けてマイクに向かってオーダーします。
待ちます。
店員さんが商品を車まで持ってきてくれます。
代金を支払います。
食べます。
この間、車の移動は一切ナシ。受け取ったその場で食べてもOK。なぜなら、各駐車スペースにメニュー表&注文用マイクが設置されているから!
馴染みの薄いこのスタイルはアメリカ統治下当時、すでにマイカーブームだったアメリカ人客向けに作られたもの。ハンバーガー店のほかにも、沖縄には車で気軽に立ち寄れる「ドライブイン」と名のついたレストランがあります。
ハンバーガーを抱えた店員さんが、駐車場を行ったり来たりする姿は沖縄ならでは。お腹も満たされ、お土産話にもなる沖縄のドライブスルーへ立ち寄ってみては?
3.ミニコラム|沖縄にはアメリカ文化がいっぱい!?
【アメリカンレトロな雰囲気が漂うコザゲート通り©OCVB】
沖縄には「アメリカ的な文化」がひょっこり隠れていることが多々あります。
『なぜ?』という質問にカンペキにお答えしようとすると、きっと一冊の本が書けてしまう―――
実は「沖縄は1972年(昭和47年)に本土復帰を果たすまで『アメリカ』だった」ということをご存知のあなたは、もう立派な“沖縄通”かもしれません。沖縄は太平洋戦争の終結後、本土復帰を果たすまでの約27年間、沖縄の方言で「アメリカ世(ゆー)」と呼ばれる、アメリカの統治下におかれました。
この「アメリカ世」の間、沖縄には様々な「アメリカ的な文化」が持ち込まれ、人々はそれらの文化を沖縄版にちょっと加工し、生活の、日常の一部として受容していったのです。
例えば缶詰のポーク(ランチョンミートとも)。
元々豚肉を好んで食べる文化があった沖縄では、ポークはおにぎりの具材や、チャンプルーなどの家庭料理に姿を変え、受け容れられていきました。
ほかにも、タコライスの話や、ジャズ・ロックなど音楽の話、沖縄の日常にあるアレコレ、とてもこのコラムでは書ききれない!
これら沖縄でひょっこり出会う「チャンプルー文化」は、沖縄の人々が長い歴史の中であみ出した、生きるための強さの象徴と言えるかもしれません。
皆さんが沖縄を訪れる時に感じる、あの“異国情緒”のような魅力は、もしかしたらこの「アメリカ世」を経て生まれた文化にあるのかも。
沖縄を違う視点で見てみれば“ひょっこり“とその姿を見せてくれるかもしれませんよ!
4.何語?カタカナ?沖縄の不思議な地名
コザ・ライカム・ハンビー。
沖縄を旅しているとカタカナで書かれた地名をたびたび見かけます。
さて、沖縄で地位がカタカナ表記されている場合、その理由は大きく分けて2つ考えられます。
1:アメリカ統治下時代のなごり
2:漢字表記だと難しくて読めない
たとえば「ライカム」「ハンビ―」は、統治下時代その場所にあったアメリカ軍の施設名に由来します。交差点や坂などの名称として県民に浸透していたため、施設がなくなったあとも地名として残ったものです。
「コザ」の由来は諸説ありますが、「古謝(こじゃ)」と「胡屋(ごや)」が混同された説、英語表記の間違いがそのまま地名になった説などが知られています。たしかに沖縄の地名は漢字が難しかったり、複数の読み方があったりと複雑なので、このようなことが起きたのかもしれません。
不思議なカタカナ表記にも理由があるのだと知ると、ドライブもなんだか楽しくなりませんか?
5.憧れの外人住宅は、新・おしゃれカルチャー発信地
今、ハイセンスな沖縄旅に欠かせないスポットといえば「外人住宅」。
まるでケーキBOXのような四角い箱型のお家が並ぶ街並みは、ここだけの素敵な写真が撮れる場所としても人気です。もちろん外人住宅で営業する、こだわりのカフェ・雑貨屋・工房を目当てに、県内外からも多くの人が訪れます。
この外人住宅の多くは、もともと沖縄のアメリカ軍基地関係者とその家族のために1950年~70年ごろに建てられたものです。
コンクリート造りの平屋は、今見てもレトロモダンでとってもイイ感じ。米軍ハウスとしての使用を終えた後も、それぞれのオーナーさんが大切に住んできた理由が、何だかわかります。
特に「宜野湾市・港川(みなとがわ)」や「北中城(きたなかぐすく)」の外人住宅は、日々新しいおしゃれカルチャーを発信している人気のスポット。
沖縄旅行に自分だけのこだわりをプラスしたい人にオススメです!
6.楽しいチャンプルー文化を召し上がれ
沖縄とアメリカの不思議なチャンプルー文化。沖縄の人々が苦難に負けず、力強く生きてきた証だからこそ、こんなに魅力的なのかもしれません。
ガイドブックから目を上げて街を見渡してみれば、思いがけない素敵な発見がある・・・それが沖縄のチャンプルー文化!
沖縄旅行中、アナタはいくつ“楽しいチャンプルー”を見つけましたか?
筆者:mochiking