格安で沖縄に行きたい!という方にとってもはや定番となりつつあるのが、LCCですよね。
LCC(=ローコストキャリア)とは、無料サービスの廃止や有料化、機内設備を簡素にするなど徹底的な効率化を図って正規運賃を低価格にした格安航空会社のこと。
2012年に就航したピーチ・アビエーションを筆頭に、ジェットスター・ジャパンやバニラエアなど次々と発足し、航空業界は“値下げ戦国時代”に突入!
今回は、「安いのはわかっているんだけど、まだ使ったことはない」という方のために、いったいどのくらいお得なのかを、東京発・関西発・中部発・福岡発のそれぞれの路線で検証してみたいと思います。(※情報は2015年8月時点となります)
<もくじ>
1.東京からLCCで沖縄に行く
2.関西からLCCで沖縄に行く
3.中部・名古屋からLCCで沖縄に行く
4.福岡からLCCで沖縄に行く
5.国内パッケージツアーとの比較も忘れずに
6.LCCを利用するときに注意したいこと
まとめ
1.東京からLCCで沖縄に行く
その1 どんな航空会社があるの?
東京の国内線の顔は羽田空港ですが、LCCは羽田空港から那覇空港への路線を持っていません。すべての発着は成田空港から。成田空港は国際線のイメージが強いかもしれませんが、羽田空港の国際化などによる競争の激化で国際線の利用者数が伸び悩み、国内線にも力を入れるようになっているのです。そこでLCCを積極的に活用しているというわけ。
成田空港―那覇空港の路線を持つLCCは、ジェットスターとバニラエアです。
その2 料金はどのくらい?
ジェットスターとバニラエアの価格をそれぞれ見てみましょう。
正規料金だとバニラエアがかなりがんばっています。ただし、ジェットスターは「最低価格保証」を適用しており、これは“同時期に他社運賃のほうが低いことを確認後、他社運賃の10%引きにてジェットスター便を販売する”というもの。ジェットスターのコールセンターに電話して、ジェットスターの料金より安く販売されているウェブサイトを担当者に教えれば良いようです。利用する際の条件などは、ジェットスターのホームページで確認してみてください。
その3 既存の航空会社との料金の差は?
次は、日程別(7日前、21日前、60日前)の既存航空会社含む料金比較を行い、実際にどのタイミングでどれだけ違うのかを見ていきます。
結論からすると、出発直前になればなるにつれて、LCCと既存各社との料金差が広がり、60日前であれば既存各社もかなり安い、という事が見て取れます。ちなみに、21日前のスカイマーク「いま得」は、残りの席数と残り日数により料金が変動する価格帯で、60日前よりもむしろ安くなっております。まれにLCCよりも安い場合もありますので、要チェックです。
なお、LCCの場合は不定期でセールを実施、この金額よりも大幅に安くなることもありますので、安ければいつでもいい、という方は、各航空会社などのメルマガを受け取るようにして、常にチェックしましょう。
2.関西からLCCで沖縄に行く
その1 どんな航空会社があるの?
関西空港を拠点にしているLCCといえば、ピーチがすっかりお馴染み。ピーチは、日本で初めて本格的なLCCをスタートさせた航空会社。今では関西空港を中心に札幌や福岡、長崎、鹿児島、沖縄など路線を拡大し続けています。また、ジェットスターも関西空港―那覇空港の路線を持っています。
その2 料金はどのくらい?
ピーチとジェットスターの価格をそれぞれ見てみましょう。
だいたい同じくらいなので、利便性や好みで予約して大丈夫そう。なお関西空港の場合、第2ターミナルがLCC専用としてピーチ便が発着しますが、ジェットスターはANAやJALと同じ第1ターミナルから搭乗することできます。わざわざ遠い専用ターミナルに行く必要がないので、ちょっぴり時間も節約できますね。
いっぽうピーチには「スペースオプション」というサービスがあります。これは、もし自分の隣の席が空いていた場合、そのスペースを使うことができるというもの(要予約)。赤ちゃん連れのお母さんなどにとっては、広々と使えて良さそうです。
その3 既存の航空会社との料金の差は?
次は、日程別(7日前、21日前、60日前)の既存航空会社含む料金比較を行い、実際にどのタイミングでどれだけ違うのかを見ていきます。
LCC2社の料金は日程により変わるものの、それほどの大差はなし。ピーチは、料金がさらに安くなるキャンペーンを頻繁に開催するので、チェックしておくと良いかも。ジェットスターは前述の「最低価格保証」や、機内でのオリジナルグッズ販売が好評を得ています。
また直前のスカイマーク「いま得」が相当安いのも見逃せません。特に出発日近くに予約をする場合は要チェックです。
またANA・JALは、LCCとは差があるものの60日前がかなり安いことが見て取れます。マイルや荷物の制限・座席指定や安心感などを考えると、むしろANA・JALの方がお得ではないでしょうか?
3.中部・名古屋からLCCで沖縄に行く
その1 どんな航空会社があるの?
今年3月29日、中部国際空港セントレアにLCCとして初めての路線となる那覇への運航が開始されました。航空会社はジェットスター・ジャパン。当面は毎日1往復での運航となっていますが、今後、名古屋圏内でのマーケティングも積極的におこなっていきたいと発表しており、路線運航が増えるのは確実です。
その2 料金はどのくらい?
残念ながら他のLCCの運航がないため、比較ができませんがジェットスターの価格を見てみましょう。
毎日1便しかありませんので、早い者勝ちです。運航開始当初、大規模な料金セールも催していたので(中部セントラル空港―那覇空港が最安値3,990!!!)、今後も要チェックです。
その3 既存の航空会社との料金の差は?
次は、日程別(7日前、21日前、60日前)の既存航空会社含む料金比較を行い、実際にどのタイミングでどれだけ違うのかを見ていきます。
ジェットスターとスカイマークがかなり競合していることが見て取れます。スカイマークの「いま得」枠があれば、スカイマークの方がお得、60日前など出発日まで十分な時間がある場合はジェットスターがお得です。
また、ANA・JALグループは60日前ではだいぶ価格が近づくものの、安い便は午後発便と、ジェットスター・スカイマークは午前発ということもあり、価格中心で比較をするならANA・JALグループは太刀打ちができない、という結果です。
4.福岡からLCCで沖縄に行く
その1 どんな航空会社があるの?
昨年より福岡空港―那覇空港の運航を開始したピーチ。福岡空港は第1ターミナルを使用、那覇空港のLCCターミナルへは専用シャトルバスが送迎してくれますが、もともと物流倉庫だったところを改良していますので、なかなかあっさりしています。こじんまりとお土産店がありますが、商品の数は少なめです。
なお、9/3までは1日1便、福岡発が20:15発(復路は那覇17:50と便利のよい時間)でしたが、9/4より1日2往復と使い勝手がぐんと増すのも魅力です。
その2 料金はどのくらい?
残念ながら他のLCCの運航がないため、比較ができませんがピーチの価格を見てみましょう。
ピーチは最安値なら、国内であれば\5,000以下の運賃で行くことが可能です。セールなら、なんと\2,000前後の路線も!この価格は、やはり驚異的です。
その3 既存の航空会社との料金の差は?
次は、日程別(7日前、21日前、60日前)の既存航空会社含む料金比較を行い、実際にどのタイミングでどれだけ違うのかを見ていきます。
各航空会社の最安値比較でも、ピーチが激安なのが一目瞭然です。機内はちょっぴり狭いけど、イスはレザー製で清潔、有料ではありますが、機内食もなかなか充実しています。ただ、こういった近距離の国内線で機内食を頼む人はほとんどいませんので、もし注文したら周囲への臭いがちょっと気になるかも…。
5.国内パッケージツアーとの比較も忘れずに
さて、上記では航空券購入として、LCCと既存航空会社との比較を行ってきましたが、往復利用で現地でホテルにも泊まる、という場合は、
旅行会社や航空会社で販売しているパッケージツアーとの比較も忘れてはいけません。
ANA・JALといった大手航空会社利用で、東京・関西・名古屋・福岡発なら2万円台からの料金(時期により変わります)で、飛行機往復+ホテル宿泊(場合により特典あり)のセットがあり、またこういったパッケージツアーは出発7日前まで購入可能なので、直前の航空券が高くなるタイミングでは特に重宝します。
各旅行会社のホームページや料金比較サイトで比較するようにしましょう。
6.LCCを利用するときに注意したいこと
とにかく料金の安さが一番に注目されているLCCですが、安かろう悪かろうでは、せっかくの旅行も台無しというものです。既存の航空会社と比べて、利用する際に注意したほうが良い点をまとめてみます。
〇預け荷物や機内食は有料がほとんど!
ほとんどのLCCでは、基本料金の中に荷物を預ける料金は含まれていません。荷物を預けるときは、必ずオンライン予約時に申し込みましょう。空港で預けるとかなり料金が高くなるので注意が必要です。
また機内食、飲み物、毛布、機内での映画等のエンターテイメントも有料。利用したい場合は、あらかじめ料金を確認しておかないと「結局、こんなにお金がかかってしまった」などということになりそう。
〇フライト欠航時は自分で何とかすべし!
たとえばフライトが機材故障で欠航になった場合、既存の航空会社なら当日の他社便への振り替えはもちろん、宿泊代や食事を航空会社が負担してくれるところもあります。ですがLCCの場合、あきらかに欠航が航空会社の責任であっても、翌日以降の空いている便の振り替えしかしてくれません。ホテルは自力で探し、代金も自己負担になることが多いので、基本的にトラブルは自分で乗り越える必要があると思ってください。
〇搭乗時間にシビア!
LCCはコストカットのため、飛行機はピストン輸送。空港に滞在する時間が短いため、搭乗時間にはシビアになります。しかも容赦ない締め切り!特にジェットスターは時間厳守で、普通に置き去りにされてしまったお客さんもいるとか。
〇ついでに遅延も多い!
ピストン輸送というのは、LCCが同じ機体で運行しているということ。つまり、始発で遅れが生じると、そこから玉突き状態で遅れてしまうという恐ろしいことに。最悪、最終便が欠航という事態を引き起こすことも。
〇子供は満2歳から大人料金と一緒!
既存の航空会社は満3歳からが有料で大人料金の約50%の利用が主ですが、LCCは満2歳から大人と同じ料金です。事前の旅行計画の際に注意が必要です。座席も狭いので、乳幼児と一緒にLCCはちょっと厳しいかもしれませんね。
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まとめ
注意したいことには、一見デメリットに取れるものが多いように思うかもしれませんが、とにかく料金が安いことは、これらのデメリットを補っても余りある大きなメリット。「週末にちょっと沖縄そばを食べに行きたい」なんてことも、気力さえあれば夢ではないと思いませんか?LCCのおかげで、旅のスタイルも変わってくるのは間違いありません。旅行の計画をするとき、ぜひ一度LCCのサイトを探してみてくださいね。