引用:国営沖縄記念公園(首里城公園) その他復元工事関係
2019年10月31日未明に発生した首里城火災。沖縄県のアイデンティティでもある首里城焼失のインパクトは余りにも大きく、地元メディアのみならず、全国メディア、さらには海外メディアでも大きく報道されました。
この火災により正殿を含む9つの施設に貴重な美術工芸品391点が焼失。
2019年12月には内閣官房長官が議長を務める「首里城復元のための関係閣僚会議」にて「首里城復元に向けた基本的な方針」が決定し、翌年には「首里城正殿等の復元に向けた工程表」が決定され、2022年より首里城正殿の復元工事がスタート。
現在は2026年度中の本殿復元完成に向け、着々と工事が進んでいます。
この記事では、復興に向けた2024年現在の首里城の様子と周辺の観光情報についてお届けします!
■1.復興が進む首里城の見どころ
┗① 守礼門
┗② 園比屋武御嶽石門(世界遺産)
┗③ 歓会門、瑞泉門、漏刻門
┗④ 下之御庭
┗⑤ 正殿~首里城の見せる復興~(有料区域)
┗⑥ 女官居室(ミュージアムショップ/有料区域)
┗⑦ 東のアザナ(有料区域)
┗⑧ 西のアザナ
┗⑨ 玉陵
■2.首里城のイベント
■3.首里城アクセス・駐車場
■4.周辺の観光スポット
┗① 金城町石畳道
┗② 首里染織館suikara
もくじをすべて表示
1.復興が進む首里城の見どころ
国営沖縄記念公園(首里城公園):木材倉庫
首里城では「本殿が完成し公開」ではなく、「見せる復興」をテーマに復興の様子も公開しています。
国営沖縄記念公園(首里城公園):正殿
これまでと同じく有料エリアと無料エリアが設けられており、有料エリアでは順路を辿って復興の最前線を感じられるようになっています。
国営沖縄記念公園(首里城公園):首里城復興展示室
ここからは、2024年9月時点での首里城復興の進み具合・見どころを主な観光順路に沿ってレポートします!
① 守礼門
国営沖縄記念公園(首里城公園):守礼門
守礼門は首里城正殿と肩を並べ、「首里城」のシンボルマークとして知られている門です。もともとは1500年代に建てられたと言われており、中国様式の門となっているのが特徴的。記念撮影に欠かせないスポットとなっています。
② 園比屋武御嶽石門(世界遺産)
国営沖縄記念公園(首里城公園):園比屋武御嶽石門
守礼門をくぐりしばらく進むと左手に見えてくるのが園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)。門でありながら人が通るためのものではなく、王家の拝所として使用されてきた聖地です。2000年には首里城と一緒に世界遺産に登録されています。
③ 歓会門、瑞泉門、漏刻門
歓会門
国営沖縄記念公園(首里城公園):歓会門
歓会門(かんかいもん)は、首里城の城郭へと続く第一の正門です。中国から訪れる使者をはじめ客人を「歓迎する」という意味を込め歓会門と名付けられています。
瑞泉門
国営沖縄記念公園(首里城公園):瑞泉門
瑞泉門(ずいせんもん)は歓会門を抜けた道を進むと現われる第二の門。石段の上にそびえたつ構図が美しい門となっています。
漏刻門
国営沖縄記念公園(首里城公園):漏刻門
漏刻門(ろうこくもん)は瑞泉門をくぐると左手に見える第三の門です。漏刻とは中国語で水時計を意味し、門の上の櫓に設置した水槽から、水が漏れる量で時間を計ったことから「漏刻門」と名付けられています。
④ 下之御庭
国営沖縄記念公園(首里城公園):下之御庭
下之御庭(しちゃぬうなー)は首里城正殿へと続く「奉神門」の目の前に広がるエリア。「御庭」とはその名の通り庭を意味し、首里城正殿前にある「御庭」に対し、奉神門をはさみ、その下にあることから「下之御庭」と呼ばれています。
国営沖縄記念公園(首里城公園):下之御庭
こちらでは、首里城正殿の入場チケットを販売する券売所や、伝統的な琉球菓子を味わえる「首里城茶屋」が営業しています。
国営沖縄記念公園(首里城公園):下之御庭
また、火災前は首里城正殿前に向かい合うように設置され、火災の被害を受けつつも立っていた「大龍柱」を展示する「大龍柱補修展示室」もあります。
⑤ 正殿~首里城の見せる復興~(有料区域)
奉神門をくぐると現れるのが「木材倉庫」です。正殿を復元するにあたり、多くの木材が必要になることから、木材の保管・加工を目的に倉庫が設けられています。
国営沖縄記念公園(首里城公園):木材倉庫
倉庫といっても全て壁で囲われているのではなく、場所によってはガラス張りの見学エリアが設置されています。見学エリアからは倉庫内の様子を伺うことができ、タイミングによって木材を加工している職人さんの様子を覗けます。
国営沖縄記念公園(首里城公園):木材倉庫
木材倉庫を通過すると見えてくるのが、正殿を覆う大きさで作られた「素屋根見学エリア」です。ここは正殿と同じく3階建ての建物となっていて、各階ごとに違った作業風景が見学できるようになっています。
国営沖縄記念公園(首里城公園):素屋根見学エリア
作業風景だけでなく、各フロアでは首里城に関連するトピックを扱ったパネルや、築城に使用される建築資材が紹介されているのも要注目。
国営沖縄記念公園(首里城公園):素屋根見学エリア
木材倉庫と素屋根見学エリアがある場所から少し進むと「首里城復興展示室」があります。ここは、復興の様子を紹介するパネルや、焼け残った正殿の一部が展示されている施設です。
国営沖縄記念公園(首里城公園):首里城復興展示室
お手洗いやベンチも設けられているので、ちょっとした休憩がてら立ち寄るのがオススメ。焼け残った展示品に首里城焼失の被害を改めて感じつつも、火災の現実を踏まえた上での復興に向けた取り組みを学べるエリアとなっています。
国営沖縄記念公園(首里城公園):首里城復興展示室
⑥ 女官居室(ミュージアムショップ/有料区域)
国営沖縄記念公園(首里城公園):女官居室
女官居室はミュージアムショップ球陽(きゅうよう)という名で、首里城オリジナルグッズをはじめとする商品を販売しています。
国営沖縄記念公園(首里城公園):女官居室
明るい店内では、お城を訪れた記念として人気の高い「御城印」や、首里城グッズが所狭しと並んでいるのが特徴的。ショップ内ではポークたまごおにぎりなどの軽食も販売しているので、首里城見学のひとやすみにオススメです。
⑦ 東のアザナ(有料区域)
国営沖縄記念公園(首里城公園):東のアザナ
東のアザナは首里城正殿の奥、文字通り城郭の東に位置し、首里城内では最も標高の高い物見台です。ここは那覇市の街並みや、ぐるりと海を見渡せる絶景スポット。晴れた日には久高島も臨めます。
⑧ 西のアザナ
国営沖縄記念公園(首里城公園):西のアザナ
正殿からは下之御庭を挟んで反対側にある西のアザナは、城郭の西に位置する石垣の物見台で、東のアザナと同じく那覇市の街並みを臨むことができる絶景スポット。天気の良い日には慶良間諸島を眺めることができ、サンセットビュースポットとしても楽しめます。
⑨.玉陵(世界遺産)
玉陵(たまうどぅん)は首里城から少しだけ離れた場所にある、第二尚氏の歴代国王が眠るお墓です。一口にお墓と言っても、一般的にイメージするものとは大きさが違いスケール感に圧倒。2000年には首里城と一緒に世界遺産に登録されています。
2.首里城のイベント
国営沖縄記念公園(首里城公園):正殿
首里城では行われる定例でイベントのなかでも毎年11月3日(文化の日)を中心に開催される「首里城復興祭」は最大のイベント。「首里城祭」として行われてきたイベントで、復興の機運を高めるため2026年の正殿完成までイベント名を改称しています。
ほかにも、新年の三が日に行われる新春の宴や3月に開催される「春の御城うぐしくまつり~首里手作り市~」のほか、子どもたちがお休みのゴールデンウィークや夏休みには体験イベントが開催されます。
また毎日陽が落ちて24時までは首里城のライトアップが行われます。
3.首里城アクセス・駐車場
首里城のアクセスは最寄りのモノレール駅「首里駅」からは徒歩で10分ほど。那覇空港からでも、モノレールに乗って足を運べるため、アクセス性も抜群。
国営沖縄記念公園(首里城公園):駐車場
車でお越しの方は、首里城公園が運営する「首里社館」近くの駐車場がオススメ。普通自動車の場合最初の60分400円、以降30分ごとに200円。最大料金の設定もあります。
国営沖縄記念公園(首里城公園):駐車場
ただ、満車になっているケースが少なくありません。その場合は、首里城公園近くのコインパーキングを利用しましょう。
- 住所
- 沖縄県那覇市首里金城町1-2
- 営業時間
- 8:30〜19:00(無料有料区域および時期ごとに異なります。詳細はHPにてご確認ください。)
- 備考
- 入場料金:大人400円、高校生300円、小中学生160円、6歳未満無料
4.周辺の観光スポット
① 金城町石畳道
金城町石畳道は、首里城の目と鼻の先にある約300mの坂道。文字通り、石畳の道路となっていて、琉球石灰岩が使用されているのが特徴です。その風情のある光景から映えスポットとして人気を集めています。
石畳道に行くなら「石畳茶屋 真珠(まだま)」は、行ってほしいカフェ。かき氷やドリンクといった、ひんやりメニューを提供しています。
看板メニューのマンゴーかき氷は、石畳道散策で疲れた体に染み渡る甘さと冷たさを感じられる一品。首里城見学や石畳道観光のひと休みに訪れてほしいスポットです。
\こちらの関連記事もどうぞ/
琉球の町並みを彷彿とさせる石畳の道 沖縄らしい風景に出会える!首里の石畳をのんびりスウィーツ散歩
② 首里染織館suikara
首里染織館suikaraは、「首里織」と呼ばれる織物をテーマとした施設。首里織とは、琉球王朝時代には王族や士族のみが着たと言われており、国の伝統的工芸品にも指定された格式の高い織物です。
首里染織館suikaraでは、そんな首里織を使った着物や小物の展示・販売を行っているため「首里城に居た人は当時こんな物を来ていたんだ」と、首里城見学と併せて足を運ぶと、より楽しめます。
\こちらの関連記事もどうぞ/
布に織り込まれた作り手の思いを読み取る 首里染織館suikara|豊かな色彩が織りなす沖縄伝統の美しい布の物語の世界
おわりに
痛ましい火災被害のあった首里城。ですが、見せる復興は歴史や文化はもちろん、建築の技術にも触れられ、改めて首里城を知るキッカケとなっています。
着々と進む復興の様子を見に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。