独特なお面、泥で真っ黒な姿・・・一体この生き物はなんだ!?と思われた方、安心してください。
この泥をまとっているのは、厄払いをして福を呼んでくれる“神様”なんです。
泥の神様の名前は「パーントゥ」。沖縄の離島・宮古島で毎年行われる奇祭・パーントゥ・プナハをご紹介します!
1.パーントゥ・プナハとは
2.パーントゥの開催場所・開催時期は
3.パーントゥであった過去のトラブル
4.おわりに
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1.パーントゥ・プナハとは
「パーントゥ」は、毎年平良地区島尻と上野地区野原で行われる厄払いの伝統行事です。
パーントゥ・プナハは、島尻のお祭りのこと。
全身泥だらけの神様3体が町を練り歩き、町中の建物や人に泥を塗りつけるまさに“奇祭”です。
この泥は「ンマリガー(産まれ泉)」と呼ばれる特別な泉から採取した神聖な泥なんだそう!しかもこの泥は臭いが強烈で、泥をつけられると数日間臭いがとれないんだとか。
神様は、子どもからお年寄りまで容赦なく泥を塗りつけてきます。
さらに人だけではありません。
厄払いの意味を込めて新築や建物、車も泥だらけに!無病息災を祈るほか、新築の家に憑く悪霊を祓う役割もあるため、勝手に家に上がり込むスタイルです。
さらに家主は、パーントゥにお酒をふるまいもてなすのがしきたりなんだとか。
自分や家が泥だらけになっても地元の人々は、「神様が厄払いしてくれたさー」とみんな笑顔。
泥を塗られれば塗られるほど厄が払われ福が訪れるありがたいお祭りなんです。
「パーントゥ」は、重要無形民俗文化財に指定されており、国連教育科学文化機関(UNESCO)の無形文化遺産にも登録されています。
2.パーントゥの開催場所・開催時期は
島尻地区は旧暦の9月上旬ごろ、上野野原地区は旧暦の12月最後の丑の日に行われます。
過去に観光客とパーントゥのトラブルもあり、島尻自治会の方針で事前に日程は告知されていません。
もし、たまたまパーントゥのお祭りに遭遇した人はラッキー!神様に泥を塗ってもらい厄払いしてもらいましょう。
3.パーントゥであった過去のトラブル
近年観光客の増加に伴い、パーントゥと観光客の間でトラブルが発生しているそうです。
数年前には、花柄のワンピースとカメラを泥だらけにされた観光客の若い女性から苦情があったそう。さらには、泥を塗られて激怒した男性観光客がパーントゥを暴行する事件も発生しています。
一度は開催中止が検討されたそうですが、現在は日程の宣伝をせず、パーントゥに護衛をつけるなどの対応がとられています。
また、「泥をつけられたくない人は地区内に立ち入らない」などの注意書きが掲示されているそうです。
もしパーントゥに参加したい!ということであれば、泥を塗られても構わない服装で行くようにしましょう。
4.おわりに
パーントゥは伝統的なお祭りで、「無形文化遺産」にも登録されている、これから先も残していきたい貴重なお祭りです。
事前に予定に組むことは難しいかもしれませんが、宮古島でたまたま「パーントゥ」に遭遇した人はとてもラッキー!厄が祓われて無病息災で過ごせるはず。
宮古島の島尻地区でしか味わえない伝統的な奇祭をぜひ味わってみてください!