平和ってなんだろう?肌で感じて思いを馳せる「平和祈念公園」の旅

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公開日:2016/8/19

平和祈念公園

沖縄にある「平和祈念公園」と聞いて、皆さんはどのような印象を持ちますか?

『沖縄戦について学ぶ場所』
『戦没者を追悼し平和を祈るための公園』
『沖縄にきたら1度は行くべきところ』
『観光とは真逆なちょっと重たいイメージ』

行ったことがある人も、そうでない人も、十人十色で様々な印象を持っていると思います。でも恐らく多くの沖縄好きにとって“なんだか気になる場所”なのではないでしょうか?

今回はそんな「平和祈念公園」についてご紹介したいと思います。
“なんだか気になる”が“そうなんだ”になった瞬間、きっとアナタが持つ「平和祈念公園」のイメージが変わるはず。

ガイドブックだけでは分からない、肌で感じて思いを馳せる旅に出発です。

<もくじ>
1.平和祈念公園ってどんなトコロ?
2.平和祈念公園にはなにがあるの?
3.意外と知らない平和祈念公園のイベントあれこれ
4.平和祈念公園のアクセス&詳細情報
5.いつの世も変わらない平和を祈って

1.平和祈念公園ってどんなトコロ?

平和祈念公園

明るく陽気なイメージの沖縄。
でも、まだそれほど遠くない昔、この地は住民を巻き込んだ激しい地上戦の舞台でした。

太平洋戦争において、各国の思惑が錯綜する軍事戦略の中枢とされた沖縄。
その結果、いまだその全容を把握できないほど、沖縄戦によって多くの人々が亡くなりました。

「平和祈念公園」がある本島南部・摩文仁(まぶに)は、戦火に追い詰められた人々が最後にたどり着いた場所です。
逃げ場をなくし、捕虜になることも許されず、ここでもたくさんの命が失われたという事実をご存知の人も多いと思います。

戦争の歴史を語り継ぎ、戦没者を追悼するとともに平和を祈るために、平和祈念公園は整備されました。

平和祈念公園

さて、ここまで聞くと『軽々しく観光で行くのは不謹慎ではないか・・・』と考えてしまう人もいると思います。

事実、慰霊や平和学習の場として公園を訪れる人はたくさんいます。
ですが同じくらいに、散策やピクニック・イベントを楽しむ“憩いの場”として訪れる人も多いんです。

少し意外な感じもしますが、公園を管理する沖縄県平和祈念財団の上原さんのお話の中に、こんな言葉がありました。

『気持ちよくお参りしていただける「慰霊の場」として守っていくことはもちろんです。でも、それだけではいけないと思っています。多くの人が訪れて、子供たちの元気な声があふれる公園にしたい。“にぎやかな沖縄、にぎやかな日本”を見てもらうことが、戦争で亡くなられた多くの方々が願っていた“平和の姿”だと思うんです』

平和祈念公園

上原さんの言葉どおり、公園を見渡せば家族連れやカップル、海外の方などでにぎわっています。

思い思いに散策や景色を楽しみ、そして慰霊碑の前で静かに手を合わせる。
その姿は、決して重苦しい雰囲気などではありません。

美しく穏やかな場所であるからこそ親しみがわき、親しみがわくからこそ刻まれた傷の深さを思い自然と手を合わせる。ここにはそんな場所です。

2.平和祈念公園にはなにがあるの?

平和祈念公園

青い海と、豊かな自然に囲まれた平和祈念公園はじつに広大。
その広さは40ヘクタール、首里城公園が8個、東京ドームなら8.5個ほど入る広さです。

公園内は大きく分けて4つのエリアに分かれています。
・展望台や芝生の広場がある「園路・広場ゾーン」
・沖縄県平和祈念資料館や沖縄平和祈念堂がある「平和ゾーン」
・平和の礎(いしじ)や式典広場がある「平和式典ゾーン」
・国立沖縄戦没者墓苑や各県の慰霊碑・塔がある「霊域ゾーン」

資料館なども含め、ゆっくりと散策をするのなら2時間以上の滞在時間が◎。
足の向くまま散策をしてみるのもオススメですが、今回はとくに押さえておきたい散策のポイントをご紹介します。

■「沖縄県平和祈念資料館」/「平和の礎」

平和祈念公園

平和祈念公園でぜひ見ておきたいのが「沖縄県平和祈念資料館」と「平和の礎(いしじ)」。沖縄戦について“知る”だけでなく、その凄まじさを自分の肌で“感じる”ことができる場所です。

教科書などで私たちが学んだ多くは、客観的で説明的な『戦争の歴史』です。
それに対し、ここでは『生きている人々に起こった事実』として沖縄戦の歴史が語られています。

私たちが平和について考えるとき、この2つの視点を持つことは、とても大切なのではないかと思います。

戦争体験者の証言集を読み、礎に刻まれた戦没者1人1人の名前を見たとき、きっと心の中にあふれてくる思いがあるはず。

■「霊域ゾーン」摩文仁の丘で慰霊碑・塔をめぐる

平和祈念公園

沖縄戦は、決して沖縄だけのことではないと実感するのが「摩文仁の丘(まぶにのおか)」です。

参道沿いには32府県の慰霊碑が建てられ、慰霊のため全国から多くの人が訪れます。
(※北海道・東京都ほか14都道府県は、沖縄県内の他地域に建てられています)

また「国立沖縄戦没者墓苑」は、天皇皇后両陛下がご訪問の際に供花されたので、記憶にある人もいるのではないでしょうか。

摩文仁の丘には50基の慰霊碑があり、今でも参拝者が絶えることはないそうです。

沖縄戦は遠い昔の、遠い場所の出来事ではなく、自分の身近で起きていたのかもしれない。
『もしかしたら・・・』と、“他人事”ではなく“我が事”として感じる場所です。

■公園内の散策には「園内バス」が便利

平和祈念公園

繰り返しになりますが、平和祈念公園はとても広いです。公園内をくまなく散策したいなら「園内バス」が便利。

駐車場側の「園内案内所」から「摩文仁の丘」を結ぶバスは、100円/1人で1日乗り放題。園内7箇所にバス停がありますが、途中での乗降もOKです。

とくに「摩文仁の丘」へ行く場合は、坂や起伏のある道が続くので、小さいお子さんやご高齢の方がいる場合はオススメ。

■散策で気をつけたいこと

平和祈念公園

園内は日差しを遮る場所が少ないので、歩いて散策する場合は、日差し&熱中症対策を。散策を始める前に地図などで売店の場所などを確認しておくと、より安心です。

公園は憩いの場所であると同時に、慰霊の場所であることを忘れずに。
参拝されてる方がいる場合は、大きい声で話す、笑い声をあげるなどは控えましょう。皆が気持ちよく過ごすためのマナーは大切です。

また、子どもが遊んでよい場所とふさわしくない場所、加えて足場が悪い場所もあります。小さなお子さんがいる場合は、保護者がしっかり見守ってあげてください。

3.意外と知らない平和祈念公園のイベントあれこれ

平和祈念公園

年間を通じて様々なイベントが行われている平和祈念公園。その中でも、誰もが気軽に・自由に参加できるイベントをいくつかご紹介します。
(※日程など詳細については後記「沖縄県平和祈念財団HP」よりご確認ください)

【主なイベント】
■元旦/新春 初日の出 in平和祈念公園
実は平和祈念公園は初日の出の隠れスポット。県内からも毎年多くの人が訪れます。

■3月中旬~5月上旬/ヒマワリ畑の迷路
大人でも見上げるほどの、大きなヒマワリが作りだす迷路が登場します。ヒマワリは種から大切に育てるそうです。

■4月下旬~5月上旬ごろ/平和祈念こいのぼりまつり
沖縄の青い空の下、各県から贈呈された多数のこいのぼりが雄大に泳ぐ姿を楽しめます。

■6月下旬ごろ/平和の光の柱

夜の帳が下りた公園を光の柱が彩ります。4,000m上空まで届く5本の光に包まれて、昼間とは違った神秘的な雰囲気に。沖縄ではめずらしい「とうろう流し」も行われます。

■7月上旬/平和の七夕まつり
七夕飾りの短冊に追悼・平和の思いを綴り、みんなで笹を飾り付けます。

■8月中旬/旧盆エイサー奉納
旧盆のウークイに行われます。「ウークイ=お送り」という意味で、お迎えしたご先祖様をお見送りする日のことです。
お盆の時期、全国各地で和太鼓の音色に合わせて「盆踊り」が踊られるように、沖縄では歌と囃子に合わせて「エイサー」が踊られます。

■10月上旬(旧暦9月9日)/重陽の節句 平和の凧揚げフェスタ
9月9日は「重陽(ちょうよう)の節句」です。繁栄や不老長寿を願う日に、平和への感謝と祈りをこめ凧を大空へと揚げます。

失われた命に思いを馳せ、今ある平和に感謝し、いつまでも平和が続くよう願う。

人々の思いと願いが詰まったイベントは、子供から大人まで楽しめるだけでなく『平和ってなんだろう?』と考えるきっかけをくれます。

なんとなく行く機会がなかった人は、イベントを機に足を運んでみるのも◎。

4.平和祈念公園のアクセス&詳細情報

平和祈念公園

【車でのアクセス】
那覇空港から国道331号線を経由して、所要時間:約35分
※バスの場合、乗継が必要となるためレンタカーやタクシーの利用がオススメです。

【沖縄県平和祈念資料館】
■TEL:098-997-3844
■開館時間: 09:00~17:00
※F2常設展は最終入室16:30
■入館料:300円
■休館日:12月29日~1月3日

【平和祈念公園】
■住所:沖縄県糸満市字摩文仁444
■TEL:098-997-2765
■時間: 08:00~22:00(※施設により異なる)
■入園料:無料(※一部有料施設あり)
■イベント等 詳細HP:http://heiwa-irei-okinawa.jp/
(※指定管理者/公益財団法人 沖縄県平和祈念財団HP)

【その他】
平和祈念公園案内所では、ベビーカー・車イスを無料で貸し出してくれます。
またマップ等もここでもらうことができます。

5.いつの世も変わらない平和を祈って

平和祈念公園

『できるならば、那覇空港についたらまず平和祈念公園に来て手を合わせてください。そうしてから、観光を思いっきり楽しんでもらえたらと思います。沖縄にはキレイな海もおいしい物も本当にたくさんありますから』

取材の最後、にこやかに話してくれた沖縄県平和祈念財団・上原さんの言葉を思い返します。

―――平和ってなんだろう?
その答えは、たくさんたくさんあるはず。
でもきっと、私たちが平和について考え・思いを馳せる時間を積み重ねた分だけ、平和と呼べる世界が続くのではないかと思います。

「百聞は一見に如かず」さらに「百聞の上に一見があればなおよい」のだそうです。
平和祈念公園は知ること・見ること、そして感じることが出来る場所。

皆さんはこの場所で何を感じますか?


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