道の駅喜名番所(きなばんじょ)は読谷村にある道の駅。「番所」とは今で言う「役所」のような施設のこと。琉球王国時代は県内各地に番所が設置され、喜名番所は現在の読谷村地域あたりの行政機能を担っていました。そんな、かつての喜名番所を再現したのが「道の駅喜名番所」です。
特徴的なのが、古民家を彷彿とさせる「建物」。頭の中で描く「沖縄の古民家」がそのまま再現されたかのような珍しい建物のつくりは、一般的にイメージする道の駅とはまた違い沖縄らしさに溢れています。
1.道の駅喜名番所 建物の中は
2.建物の外も土地柄がでている
もくじをすべて表示
1.道の駅喜名番所 建物の中は
道の駅喜名番所は当時の様子を可能な限り再現しているのがポイント。建物は木造建築で出来ており、クギを一本も使っていなんだそう。施設内は大きく分けて2つのスペースに分かれています。右手にある座敷のお部屋と左手のコミュニティスペースです。
座敷のスペースは当時の雰囲気を再現しているとのことで、まるでひと昔前の沖縄にタイムスリップしたかのような、どこか懐かしい空気感を感じられます。
左手のコミュニティスペースは気軽にひと休みできるエリア。壁には喜名番所の歴史や、読谷村の文化などが紹介されていて、休憩しながら地域の魅力を学べるスペースとなっています。
ただ、おそらくお気づきのように一般的な道の駅とはちょっと様子が違います。道の駅というとローカルフードや地元の特産品を楽しめるイメージがあると思いますが、喜名番所はそういったものは一切ありません。
けれども、地域が育んできた文化や歴史を感じられるスポットとなっていて、くつろぎながら読谷の面白さに触れられるのが最大の魅力。お手洗いひとつとっても地域性を発信するこだわりが隠れているんです。トイレの男女マークは琉球ガラス細工が使われ、喜名番所らしさを感じられます。
お手洗いの水受け陶器は「陶芸」の作品が使用され、やちむんが盛んな読谷村の魅力たっぷり細部までこだわっている様子が伺えます。
もちろん喜名番所内にはお手洗いに限らず読谷村の工芸の作品が設置されているので、そちらも要チェック。常に観光案内人が常駐しているので、喜名番所の歴史を聞いてみたり、読谷村の文化やオススメスポットを聞けるのもポイントです。
2.建物の外も土地柄がでている
建物から一歩外に出てみると感じるのは、その「土地柄」。古民家を想像させる佇まいに、まるでここだけ時間の流れが止まっているかのような不思議な感覚になってしまいます。
中でも特徴的なのが屋根の「灰色瓦」です。沖縄というと「赤瓦」をイメージされるかもしれませんが、番所が機能していた時代は灰色瓦が一般的だったと言います。
喜名番所も例外ではなく、当時は灰色瓦が使用されていたんだそう。可能な限り当時の様子を再現するため、数少ない手がかりをヒントに灰色瓦を完成させたというから感慨深いものがあります。
建物に向かって右手にはお庭のような空間が。澄んだ空気が漂い、喜名番所の建物のやさしい雰囲気と相まって気持ちが安らいできます。
敷地内のまわりにはシーサーをはじめ読谷村らしい焼き物を使った工芸品が設置されているのも見逃し厳禁。国道58号線沿いにあるにも関わらず、そんなことを忘れてしまうぐらいゆったりとした空気感が流れているスポットです。
おわりに
道の駅というと「グルメと特産品が楽しめる」というイメージがあるため、そこを基準にすると物足りなさを感じてしまうかもしれません。一方で、当時の様子を再現した建物や、読谷村の歴史・文化に触れられる他には代えられない魅力を持っているのが道の駅喜名番所です。その雰囲気を肌で感じてみてはいかがでしょうか。
- 住所
- 沖縄県中頭郡読谷村喜名1-2
- 営業時間
- 9:00~18:00
- TEL
- 098-958-2944