2024年11月20日、北谷町初となる「北谷町立博物館」が国指定史跡・伊礼原遺跡の隣接地に新規開館します。
北谷町立博物館は、地域の歴史・文化・自然などに関する資料を総合的に収集・保存し、研究・展示公開する事を目的とし、なかでも常設展示室は「縄文時代の交流」をメインテーマとし、博物館に隣接する「伊礼原遺跡」からの出土物を中心に先人たちのくらしの様子を紹介しています。
伊礼原遺跡は、米軍基地返還後の調査によって1997年に発見され、2010年に北谷町で初めての国指定史跡に指定された縄文時代の遺跡。遺跡からは、県内初の櫛(くし)や最古となる笊(ざる)などのほか、ヒスイや黒曜石など他地域との交流を示す品々が数多く出土しており、博物館では遺跡から発掘された貴重な品々を間近で見られます。
縄文時代の人々の暮らしを紹介する展示
北谷町立博物館の展示最大の特徴は、沖縄の縄文時代を網羅的に取り扱っている点。
長く続いた縄文時代の変遷の中には、海を隔てた地域との交流があった事が判明しています。その範囲はとても広域で、隣の九州はもちろん、遠く離れた青森の影響も受けていることが明らかになっているそうです。
また、世界遺産に指定されている“東北の縄文文化”の影響が沖縄にも到達していた事が明らかになった時は、全国のトップニュースとして報道されました。
このように、博物館では北谷にくらした先人たちが太古の時代から県内外の人々と交流した証の品々を当時にタイムスリップした気分で見学することができます。
誰でも気軽に。憩いのスペース
北谷町立博物館の入館料金は無料。常設展示を見る場合は “100円程度”(日本円でも外貨でも可)の協力金を募っています。協力金は博物館や伊礼原遺跡の維持・保全に使われます。
エントランスホールには児童書などが並ぶライブラリーや小上がり・円卓を配した「ゆんたく広場」を設置。お手洗いなどのサインも“縄文風”でとても明るい印象です。
“沖縄で縄文といえば北谷“を目指して
第二次世界大戦において村全体が占領地となった北谷。戦後、基地返還や都市開発が進み、新しくできた北谷の街は沖縄県内屈指のリゾート地として認知を広げ、今日も県内外から多くの人が訪れています。賑やかなリゾートエリアから一歩離れると日本の歴史を語る上でも重要な遺跡がじつはある、このギャップも多様性に富んだ“北谷らしさ”なのかもしれません。
「北谷町立博物館は誰でも訪れやすい場所でありたいと思っています。歴史に興味があったり、博物館によく行かれる方はもちろんですが、新しくオープンしたから、散歩のついで、休憩がてらなどなど、まずは気軽に足を運んでいただきたいです。
訪問理由はさまざまでも、展示を見た方が北谷の街で縄文時代の様子を想像してみたり、北谷町の歴史に思いを馳せて、北谷町が楽しいリゾート地であり縄文の町でもあると覚えてもらえれば嬉しいですね。」
と学芸員の藤さんは語ってくれました。
博物館では、特定の時期にフォーカスした特別展示や伊礼原遺跡公園をフィールドとしたリアルイベントが計画されています。北谷町の知る人ぞ知る魅力“縄文”の発信拠点として、北谷町立博物館にますます注目が集まります。
- 住所
- 沖縄県中頭郡北谷町伊平1丁目11番1号
- 営業時間
- 9:00-17:00 休館日 月曜日、祝日、毎週第4木曜日、6/23(慰霊の日)、年末年始(12/29-1/3)。※その他臨時で休館する場合があります
- 備考
- 入館料 無料(常設展示を見られる場合は100円程度の協力金をお願いしています)