近年流行しているスポーツ自転車(ロードバイク・クロスバイク)。ペダルを漕ぐ爽快さや、自由に回れる機動性は、旅と相性がよく、その土地の魅力を体で感じるのに非常に適しています。
そんな中、今回紹介する「久米島」は、サイクリングイベントを開催するほど、ロードバイクの聖地となっている場所。景色変化が素晴らしいだけでなく、走り応えもあり、多くのサイクリストを魅了しています。
今回は、そんな久米島へマイ自転車をもって、1泊2日で一周してきましたので、レポートしてみたいと思います。
●ルートの説明と自前の自転車を持参するなら際のアドバイス
今回のルートは上記の地図の通り!
1日目は1~6、2日目に7~14を巡りました。
久米島にアクセスするとき、最短でもお昼頃の到着になります。久米島1周約50㎞、私の場合は飛行機で到着した初日を含めた2日間で巡りましたが、中日にまる1日でも1周できます。
久米島へアクセス方法は飛行機かフェリーの2通り。最寄りの空港から那覇空港まで出て、そこから飛行機に乗り換えるか、フェリーに乗り換えるか、です。前者の場合、ANAやJALなどの大手航空会社、その関連会社の飛行機では自転車=受託手荷物という扱いのため、無料で預けられるのがポイント!
一方で自転車を持参せずに、島一周サイクリングを楽しむには、リゾートホテル久米アイランドやサイプレスリゾート久米島をはじめとしたホテルでレンタサイクルを利用して下さい。施設によって扱っている車種が違うので、事前にチェックしておきましょう。
<久米島のレンタサイクル情報>
→https://www.kanko-kumejima.com/archives/bunrui/rent1
●1日目午後 久米島到着〜大迫力の風景を走り抜ける旅の前半
13:00 久米島空港
久米島空港は島の北西にあり、はての浜など観光の中心地イーフビーチエリアは東、那覇からのフェリーが発着する港は南にあります。
13:15 空港周辺の田園地帯
それでは久米島を時計回りに走っていきます。沖縄離島というからには海のイメージが強いですが、久米島灯台の周辺は、緑鮮やかな田園地帯。牛も飼われており、のんびりとした雰囲気に癒されます。
13:30 ミーフガーへの道・ミーフガー
まず北部の名所「ミーフガー」へ。子宝に恵まれると言われる巨大な奇岩です。スポットしても魅力的ですが、ポイントは大迫力の岩へ向かって海外線を伸びていく爽快な道!久米島に到着してすぐ、自転車で走る楽しさを最初に感じられるポイントです。
ミーフガーを見終わった後、県道242号線へ向かうときの上り坂から、ミーフガーを振り返るのもオススメ!
14:30 比屋定バンタ
県道242号線を走ること約10分、道が緩やかな上りへ入っていきます。ここが北部で唯一の難所ですが、クリアすればそこには断崖絶壁「比屋定バンタ」の絶景が広がります。深い海の青さと地形美。久米島有数の絶景を堪能しましょう!
なお隣接する「ホッと比屋定バンタ」では、100円で食べられる沖縄そばがあるので、ちょとした補給にオススメです。
●1日目午後② 久米島の中心・奥武島イーフエリアへ!球美の島の絶景三昧
15:15 てぃーだ橋
比屋定バンタから北東部の宇根・真謝集落へと下りますが、その途中にある「てぃーだ橋」の眺めが本当に素晴らしい。美しい曲線を描きながら、海へめがけて飛び込んでいきます。久米島の象徴的なスポット「はての浜」が遠望できるのもポイント!
15:45 新奥武橋
久米島の東部まで来たら、「新奥武橋」を渡って奥武島へ。実は、この橋も知る人ぞ知る久米島の絶景スポット。なんと干潮時には、橋の近くに砂浜が現れ、海の色が鮮やかなソーダブルーに変わるのです!さながら久米島本島に現れる、もう一つの「はての浜」のよう。
16:00 畳石
そして奥武島のメインスポット「畳石」に到着!火山活動と海の浸食により形成された幾何学模様の岩盤と、美しい海のコラボレーションが楽しめます。少しミステリアスな雰囲気が面白く、なぜかいつまでもゆっくりと眺めていたくなる、ひたすらに綺麗で落ち着く場所です。
16:00〜18:00 はての浜サンセットツアー
久米島に訪れたら、やはり「はての浜」にも足を運びたいところ。しかし日中だとサイクリングの時間が確保できなくなるので、私は「はての浜サンセットツアー」を利用しました。
ターコイズブルーの浜とはまた違い、仄かに紫色に染まる情景が幻想的!日中に比べてツアーのお客さんも少ないため、浜が独り占めできることも。
19:00 リゾートホテル久米アイランド
そして1日目のお宿にチェックイン!久米島のメインエリア・イーフビーチ付近に位置するリゾートホテルです。なぜこのホテルに決めたかというと、自転車とともに泊まれるホテルだから。部屋には自転車を持ち込み可能で、なお工具や空気入れも貸してくれます。
またスポーツ自転車のレンタルもあるので、自転車を持っていない方でも久米島サイクリングを楽しむことも可能です。
この日は付近の居酒屋さんで夕食を楽しんで就寝しました。
●2日目午前 美しい海と山を満喫できる南部の冒険サイクリングへ
7:00 朝食
朝、久米アイランドの豪華朝食バイキングを利用!和・洋・琉球料理を30種類以上揃い、プチプチの海ぶどうや、島豆腐など、久米島の食材が数多く並びます。こんなに美味しいもずくは初めて食べました!
8:30 島尻集落
それでは2日目のサイクリングを開始!県道245号線を南下して、島尻集落へ走ります。島一周の中でも一番気持ちの良い区間です。
久米島の原風景が根付いているこの集落。観光要素はあまりないのですが、集落全体が花を大切にしており、随所で花畑が楽しめます。心癒される穏やかな雰囲気もポイント!
9:00 鳥の口
そしてここから久米島南部で一番アップダウンの激しい道が続きます。緑と海が隣接している久米島の自然を満喫できるはず!途中の「鳥の口」は、自転車を止めて少し登る展望所なのですが、大迫力の絶景が楽しめるので、ぜひ立ち寄ってみてください。
10:00 アーラ林道
久米島の中でも秘境の雰囲気を漂わせる「アーラ林道」へ。青い海のイメージとは一線を画し、ひたすらに濃い緑が広がります。また2月上旬には、冬に咲くカンヒザクラが彩るのもポイント!
上りが2kmほど続きますが、勾配が緩やかなので、楽しみながら走ることができますよ!上り終えた後の下りも本当に気持ち良いです。
11:00 アーラ浜
県道245号線を下り切る前に、ぜひ立ち寄って欲しいのが「アーラ浜」。儀間集落の外れにある秘境ビーチです。ひたすらに落ち着き、心洗われる美しさを放つこの浜。ぜひゆっくりと過ごして欲しい秘密の場所です。
なお、振り返ればアーラ岳の山容が!あの山麓を自転車で越えてきたと思うと、感慨深いですね。
●2日目午後 久米島の名スポットをぐるりと、久米島空港まで
12:00 ゆくい処 笑島でランチ
お昼は、久米島で大人気の「ゆくい処 笑島」へ。今話題の「車海老そば」が食べられるお店です。サイクリングで疲れた身体には、海老の旨味が凝縮したスープが染み渡ります。
窓から海が眺められるロケーションの良さも◎
13:00 上江洲家住宅
笑島の近く西銘集落には、かつて士族の邸宅だったと伝わる「上江洲家住宅」が!琉球石灰岩の石垣とフクギが取り囲み、琉球建築らしい赤屋根の建物は情緒たっぷりです。
また西銘集落は、島の原風景が残る場所。何があるというわけではありませんが、ぶらぶら自転車で走ってみると、飾り気ない島の雰囲気に浸れます。
14:00 おばけ坂
少し時間に余裕があったら、ぜひ立ち寄って欲しいのが「おばけ坂」。平坦な道なのに、なぜか傾斜がついているように見える、不思議な道です。上り坂に見えるのに、勢いをつけて走ってみると、ペダルを漕がずに進めます(笑)
15:00 シンリ浜
それでは残り、県道89号線を走って久米島空港へと戻りますが、その前に訪れたいのが「シンリ浜」です。空港に近く、静かなこの場所は、飛行機までの待ち時間を過ごすのにぴったり!芝生に寝転がるのも気持ちいいです。
16:00 久米島空港
久米島空港へ到着!
久米島空港へ到着!
なお利用する飛行機出発の1時間以上前には到着しておくのがベター!お土産も購入できる上、おしゃれなカフェも入っているので、あとは最後まで久米島の時間を楽しんでください。
サイクリングの新聖地になる予感!「久米島一周」
いかがでしたか?今回は自転車旅をするトラベルライターの私が、実際に久米島一周サイクリングをしてきたレポートを寄稿しました。久米島は一周約50kmほどと、決して大きい島ではありません。
しかしながら、目まぐるしく変わる美しい自然景観と、アップダウンに富んだ走りやすい道が揃っており、この上ない走り応えと満足感があります。
現在は大手航空会社の飛行機では、輪行にもお金がかからないので、ぜひスポーツ自転車を持っている方は一度挑戦してみてはいかがでしょうか?
日本深掘りサイクリスト・フォトグラファー 土庄雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。 四季折々の日本を五感で捉え、発信しています。