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沖縄の伝統「エイサー」とは|歴史やみどころ、イベント

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公開日:2020/9/9

沖縄 エイサー

沖縄の夏を代表する風物詩、エイサー。
ダイナミックな踊りや遠くまで響き渡る太鼓の迫力、各青年会によって特徴が分かれる艶やかな衣装など、沖縄の文化を肌で感じられる行事で、エイサー目当てに旅行を計画する人もいるほど。

そんなエイサーについて、この記事では歴史から見どころ、エイサーを観覧できる催しや、著名な青年会など
エイサーにまつわるアレコレをご紹介します。

<もくじ>
1.エイサーとは
2.エイサーの見どころ
2-1.踊り
2-2.道ジュネー
2-3.役割
2-3-1.大太鼓
2-3-2.締め太鼓
2-3-3.手踊り
2-3-4.地方(じかた)
2-3-5.サナジャー
2-3-6.旗頭
3.エイサーのお祭り・イベント
3-1.沖縄全島エイサーまつり
3-2.青年ふるさとエイサーまつり
3-3.1万人のエイサー踊り隊
3-4.エイサーナイト
4.著名な青年会
4-1.平敷屋青年会
4-2.中の町青年会
4-3.中川区青年会
5.エイサーの曲・指笛
5-1.エイサーで使われる定番の曲
5-2.指笛に挑戦!
6.おわりに

もくじをすべて表示

1.エイサーとは

エイサー 道ジュネ―
エイサーとは、自治体単位で構成される「青年会」が、旧盆の際地域を踊りながら練り歩く、本土でいうところの盆踊りにあたる伝統芸能。
旧盆の際に、ご先祖様をお出迎えし、お送りするためのものです。

そもそもは伝統的な行事の側面が強かったものの、1956年よりスタートしたコザ市(現:沖縄市)主催の全島エイサーコンクール(現:全島エイサーまつり)をきっかけに、振り・構成・隊列・音楽に”魅せる”要素も取り入れられ、観に来た人を楽しませる芸能の要素が強くなったと言われています。

そして現在では、結婚式の余興や地域のお祭りで演武が行われるなど、沖縄県民に根付く文化としてだけではなく、見る人を魅了する芸能・エンターテイメントとしての広がりを見せています。

2.エイサーの見どころ

一口にエイサーと言っても、その見どころは多岐に渡ります。
そこで、ここでは「踊り」、「道ジュネ―」、「役割」に分けて、エイサーをご覧になられる際に「ここに注目してほしい」というポイントを3つにまとめてみました。

2-1.踊り

エイサー 踊り
やはりなんといってもまずは踊りに注目。歌と音楽に合わせ一糸乱れぬ動きは、まさに圧巻。

しかし、エイサーの踊りの醍醐味はそれだけではありません。ぜひ、注目してほしいのが青年会ごとによる動きの違いです。
例え同じ曲であっても踊りが全く一緒ということは無く、青年会によって特徴の違いがあります。

「あの青年会はこんな踊りなんだ」、「この青年会はダイナミックな動きだな」と、青年会ごとの特徴もエイサーの魅力の1つです。

2-2.道ジュネー

エイサー 道ジュネ―
沖縄では旧盆の時期になると、青年会が地域を踊りながら練り歩く「道ジュネ―」という光景を目にすることができます。
ご先祖様をお出迎えし、お送りするための地域行事ですが、太鼓の音が聞こえてくるとエイサーを一目見たさに家族や友人同士が続々と集まってくる沖縄の夏の風物詩です。

また、県民だけではなく、この時期になると「推し」の青年会を目当てに本土から足を運ばれる方もいらっしゃるほど。

THEローカル感満載の雰囲気は、エイサーのイベントなどでは感じられない空気感を味わえます。

(伝統的な地域行事のため、もし見学される場合は状況に合わせたマナーをしっかり守ってください)

2-3.役割

エイサーのイメージと言えば「大きい太鼓を持って踊っている」というものがどうしても強いはず。ところが、よーく見てみるとエイサーには様々な役割の方が協力し合って、魅力あふれる演舞になっていることが分かります。
ここでは、そんなエイサーの役割についてご紹介します。

2-3-1.大太鼓

エイサー 大太鼓
大太鼓は太鼓の大きさに比例し、どこまでも響き渡るほどの「ドンッ!!」という音とダイナミックな演舞が特徴的です。
ある程度経験を積まなければその役を担うことが出来ず、手踊りや締め太鼓といった役を経てたどり着く重要なポジション。
その証拠に、隊列のリズムは大太鼓役が手綱を引いており、ひとたびリズムがくるってしまえば、その影響は全体に及んでしまうほど。
まさに熟練の技が光るポジションです。

2-3-2.締め太鼓

エイサー 締め太鼓
締め太鼓役は太鼓がコンパクトであることから、身軽さから生まれるアクロバティックな動きが特徴です。
太鼓をクルクルと回転させたと思えば、振り回したりとコンパクトさを活かした動きは必見。
また、青年会によっては締め太鼓ではなく、「パーランクー」という太鼓を使用していたり、「持ち手」がついていたり、太鼓自体の違いも見受けられます。

2-3-3.手踊り

エイサー 手踊り
手踊りには、男踊りと、女踊りの2種類があります。男踊りは、空手の型を取り入れる青年会もあり、男性的な踊りが特徴です。
対して女踊りは、やわらかさを感じさせる女性的な踊りが特徴的。手踊りは必ずいるというわけではなく、青年会によっては女踊りのみだったり、男踊りもいたりと、それぞれに違いがあります。

2-3-4.地方(じかた)

エイサー 地方
地方とは三線を奏でながら民謡を歌う役のことです。エイサーと言うと太鼓のイメージが強いかと思うのですが、演舞を行うには地方の存在が必要不可欠で、エイサーにはなくてはならないポジションです。
ちなみに、エイサーを観覧できるイベントなどでは定位置にいることが多いのですが、道ジュネ―の際は軽トラックの荷台に乗りながら三線を奏で歌うという珍しい光景を見ることが出来ます。

2-3-5.サナジャー

エイサー サナジャー ちょんだらー
白塗りの顔が印象的なのがサナジャーです。
隊列を組む大太鼓や締め太鼓と違い、自由に歩き回ったり、時には観覧客にちょっかいを出したりと、自由気ままなポジション。
しかし、一見するとただふざけているように見えますが、道ジュネ―の際には隊列のスピードを見極め、早すぎる場合はゆっくり進むよう促しスピードをコントロールしたり、観覧客とコミュニケーションを交わし場を盛り上げるなど陰から演武を支える縁の下の力持ちです。

2-3-6.旗頭

エイサー 旗頭
エイサー隊の前方で旗を掲げているのが旗頭です。人の何倍もの長さがある旗を持ち上げ、演舞中降ろすことなく青年会の存在をアピールします。
青年会ごとに旗の違いもあるため、踊りだけでなく旗も注目ポイントです。

3.エイサーのお祭り・イベント

沖縄では旧盆がある夏の時期が、エイサー活動の最も盛んな時期となっており、それにあわせてエイサーを観覧できる様々な催しが開催されます。
そんなエイサーイベントの中で代表的な4つのイベントをご紹介します。

3-1.沖縄全島エイサーまつり

沖縄全島エイサーまつり
沖縄全島エイサーまつりは、沖縄を代表するエイサーイベントです。エイサー活動が盛んと言われる沖縄市を中心に県内各地のエイサー団体が出場します。
本土からも多くのお客様が訪れ、まつりが開催される3日間は近くの宿泊施設は予約が取れないほどの盛況ぶり。沖縄最大規模のエイサーまつりです。
開催時期:2023年9月9日(土)・10日(日) ※例年8月ないし9月に開催
開催場所:沖縄市コザ運動公園内

3-2.青年ふるさとエイサーまつり

青年ふるさとエイサーまつり
青年ふるさとエイサーまつりは、観光振興への寄与しつつも、若者同士の交流と育成を目的に、県内各地のエイサー団体が出場し開催されているおまつりです。2015年には祭りの在り方を見直すため休会したものの、青年の活動が発展に寄与するとの想いから翌年の2016年にはすぐさま催しを開催するなど、「ふるさと」というキーワードからも連想できるように地域への熱い想いが感じられるお祭りです。
開催時期:8月・9月ごろ (2023年は9月24日)
開催場所:北谷公園陸上競技場

3-3.1万人のエイサー踊り隊

1万人のエイサー踊り隊
1万人のエイサー踊り隊は、那覇の国際通りを通行止めにし開催されるエイサーイベントです。一般人でも参加できるのが特徴的。通常のエイサーイベントだと「観る」のが一般的ですが、「にわかエイサー」と題し飛び入り参加が可能で「体験」も楽しめる催しになっています。
また、伝統的なエイサーだけでなく、創作エイサーも楽しめるなど、様々な切り口でエイサーを楽しめるイベントです。
開催時期:毎年8月第1日曜日
開催場所:国際通り

3-4.エイサーナイト

エイサーナイト
エイサーナイトは、沖縄市内の主要施設で開催されるエイサーイベントです。夏の時期になると旧盆に向け週末ごとに開催されています。
なんでも、本土在住のエイサー通ともなれば、「推し」の青年会目当てにやってくる方もいるほど密かに注目されているイベントです。
他のエイサーイベントと比べるとカジュアルに楽しめることが特徴で、イメージとしては道ジュネ―とエイサーイベントの間のようなローカル感を楽しめます。
開催時期:毎年6月~旧盆
開催場所:沖縄市内各地

4.著名な青年会

沖縄県民ともなれば青年会の”推し”があるのも珍しくないこと。ここからは著名な青年会をご紹介します。

4-1.平敷屋青年会

エイサー 平敷屋青年会
平敷屋青年会は沖縄県中部のうるま市平敷屋という地域の青年会です。エイサーが「魅せる」要素が大きくなる中、伝統を大切にし昔から受け継がれている型を大切に守ってきた青年会となっています。県内のみならず県外のメディアに取り上げられることもあり、注目度の高い青年会です。

4-2.中の町青年会

エイサー 中の町青年会
中の町青年会は沖縄県中部の沖縄市中の町という地域の青年会です。地域によっては、若者の地域参加が減少している背景があるのに対し、中の町青年会は参加人数も多く勢いのある青年会となっています。メンバーの多さが生むダイナミックな演舞は必見です。

4-3.中川区青年会

エイサー 中川区青年会
中川区青年会は沖縄県北部の金武町にある青年会。中川区青年会の注目ポイントは太鼓です。中川区青年会の太鼓には一般的には付いていない「持ち手」がついており、独特な形状の太鼓になっています。
演舞だけでなく、その特徴的な太鼓にも注目していただきたい青年会です。

5.エイサーの曲・指笛

5-1.エイサーで使われる定番の曲

エイサー
エイサーでは「定番」と呼ばれる曲が様々ありますが、ご紹介したいのが「唐進ドーイ」です。
トリで披露されることが多く、アップテンポの曲調と緩急のあるリズムについつい魅了されちゃいます。
知らずのうちに引き込まれていき不思議とテンションが上がってくるオススメの1曲です。

エイサー 指笛
エイサーを盛り上げる指笛、口笛とは異なる音色もなんとなく沖縄らしい技のひとつです。
【指笛のやり方】
①親指と人差し指で輪っかを作る
②舌先が上あごに向くようにを巻く
③舌の裏側に作った輪っかを押し当て、吹く

人によってやり方は違い、親指と中指で輪っかを作る方もいれば、両手の小指を使って指笛を吹く方もいらっしゃいます。
ちなみに、沖縄県民ならみんな出来るイメージがあるかもしれませんが、じつはみんながみんな出来るというものでもないんですよね。
練習の際は、唾が飛んだり、酸素不足になりますので、ほどほどにしてくださいね。

6.おわりに

ということで、この記事では沖縄の夏の風物詩エイサーについてご紹介しました。
ご先祖様を出迎える伝統行事だった側面を残しつつも、現在ではエンターテイメントの要素も加わり、進化・発展していることがわかります。
やはりその迫力は生で見るとより一層違うものがあり、ダイナミックな演舞と、耳の鼓膜まで「ドンっ」「ドンっ」と響き渡る音色は圧巻です。
エイサーの開催時期は地域によってそれぞれですので、まずは大規模なイベントから訪れてみるのがおすすめです。

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