サガリバナは、陽が落ちる頃に花を咲かせ、夜明けには散ってしまう「幻の花」。
日本でも限定された一部の地域でしか見ることができない希少な花です。
白や淡いピンクの綿毛のような花を、ぶらりと垂れ下がる茎の周りに連なって咲かせる姿が「フジの花」に似ていることから、「沢藤」とも呼ばれています。
その美しさとバニラのような甘い香りが相まってつくり出される幻想的な雰囲気に、心を奪われることでしょう。
この記事では、咲く時間や場所、自生エリア、花言葉、ツアーなど、サガリバナの情報をたっぷりとお届けします。
1.サガリバナが咲く時期・時間
2.サガリバナの自生エリア
3.サガリバナの花言葉
4.サガリバナ―を見るツアー
5.おわりに
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1.サガリバナが咲く時期・時間
サガリバナは夏の風物詩で、6月から9月頃まで見ることができます。
その中でも見頃なのは梅雨が明けた6月の下旬から7月の後半頃までで、基本的には7月の頭が最盛期です。
自然のものなのでその年の降水量や日照時間、気温、月の満ち欠けなどの要因によって開花や見頃の時期に変動はありますが、6月末から7月頭を目処にすればいいでしょう。
サガリバナのもっとも大きな特徴が、「開花時間」。
夕日が綺麗な頃に大きく膨らんだつぼみが開き始め、日没後の暗くなった20時頃には完全に花を咲かせる個体がでてくるため、それ以降の時間帯が見頃です。
そして、翌日の朝日が上る5時頃には花が落ち始め、太陽が完全に上る頃には前日の夜に咲いたすべての花が落ちています。
翌日には別のつぼみが花を咲かせるためサガリバナ自体は毎日見ることができますが、一夜にして散ってしまう儚さに魅力を感じてしまいますよね。
2.サガリバナの自生エリア
写真提供:西表島カヌー旅行人グッドアウトドア様
サガリバナは、アフリカや東南アジアなど、熱帯や亜熱帯気候に咲く花です。
日本では奄美諸島や沖縄本島、石垣島や西表島をはじめとする八重山諸島や宮古島などで見ることができます。
時期や時間帯が限られていることに加え、日本でも南西諸島でしか見ることができない希少な花。
栽培もされているため名護市の市営市場や那覇など街中で見ることもできますが、主な自生エリアは湿地帯や水辺です。
沖縄本島でオススメの場所としては那覇市首里にある「首里崎山町サガリバナ並木」、西原町字嘉手苅にある「内間御殿(うちまうどぅん)のサワフジ」、名護市真喜屋にある「舞香花(もうかばな:サガリバナの別名)」が挙げられます。
離島では、石垣島平久保にある「平久保サガリバナ群落」や西表島に前良川(マイラガワ)や後良川(シイラガワ)がオススメです。
なかでも西表島は、人の手が全く加えられていない野生のサガリバナ群生地を見られる数少ない場所。
自生しているサガリバナ群生地を見たい方は、西表島に行くといいでしょう。
3.サガリバナの花言葉
写真提供:西表島カヌー旅行人グッドアウトドア様
見た目だけでなく生態や香りまで魅力的なサガリバナ、その花言葉は「幸福が訪れる」です。
一夜にして散ってしまうサガリバナを見ることができた人は幸運ということから、この花言葉がつけられたと考えられています。
幻想的で美しく、見ているだけで幸せな気持ちになれるサガリバナにぴったりの花言葉。
恋人や意中の人だけでなく、家族や友達など、自分が大切にしている人に伝えたくなる素敵な花言葉です。
4.サガリバナ―を見るツアー
写真提供:西表島カヌー旅行人グッドアウトドア様
西表島では、先述した前良川や後良川以外でも、仲間川や浦内川、仲良川など、さまざまな場所でサガリバナを見ることができます。
場所が川の上流だったり、危険な野生生物がいたりするためカヤックに乗ってサガリバナを見に行くツアーが人気。
ツアーは時間帯(夜と早朝)のほか、星空やホタル観察を一緒に行うなどツアーバリエーションも様々で、料金はだいたい¥5,000~。体力や予定、予算に合わせて決めるといいでしょう。
夜のサガリバナもいいですが、早朝に見る川に浮かんだたくさんのサガリバナも美しく筆者はおすすめです。
5.おわりに
写真提供:西表島カヌー旅行人グッドアウトドア様
幻の花とも言われる「サガリバナ」いかがでしたか?
普段何気なく見ていた花も、その背景や花言葉を知るとますます興味が出るのではないでしょうか。
梅雨が明けたら、幻の花「サガリバナ」を見に足を運んでみてくださいね。
参考サイト
http://goodoutdoor.jp/sagaribanaresearch.html