沖縄には美味しい食べ物がいっぱいありますよね。
そして、同じくらい不思議な名前の食べ物がいっぱいありますよね。
名前を見ただけでは想像がつかないから、知りたくなる、食べたくなる―――
その知的探究心・美食を求める欲望、そして何より沖縄を愛するココロ、分かります!
そんな沖縄マニアの皆さんのために、今回は「沖縄の不思議な名前の食べ物」の中から”お菓子”にスポットをあててみました。
「サーターアンダギー」や「ちんすこう」は今やメジャー級選手。今回集めたのは、沖縄県外出身の筆者が『初見でまったくナニモノだか想像がつかなかった』おやつ9種類です。
さぁ、アナタはいくつ食べたことがありますか?
<もくじ>
1.【難易度★☆☆☆☆】ちんびん/ぽーぽー
2.【難易度★☆☆☆☆】かめせん
3.【難易度★★☆☆☆】塩せんべい
4.【難易度★★☆☆☆】なかよしパン
5.【難易度★★★☆☆】くんぺん
6.【難易度★★★★☆】ムーチー
7.【難易度★★★★☆】いちゃガリガリ
8.【難易度★★★★★】アンダカシー
9.【難易度★★★★★】タンナファークルー
10.まとめ
ご注意
【勝手に沖縄マニア検定】のタイトル通り、筆者の独断と偏見でラインアップおよび難易度付けをしています。
どうぞ悪しからずご容赦くださいませ。
沖縄旅行の話題の1つとして皆様にお楽しみいただければ幸いです。
1.【難易度★☆☆☆☆】ちんびん/ポーポー
まずは沖縄県外でも度々見かける沖縄風クレープ「ちんびん」と「ポーポー」から。
『食べたことあるよ』という人も多いと思いますが、2つの違いが分かる人はなかなかのマニア度。
実は沖縄県民でも意外と知らない人が多いのだそうです。
どちらも生地を丸く平たく焼き上げ、クルクル巻いているので見た目はそっくり。違いをカンタンにまとめると・・・
「ちんびん」は小麦粉と黒糖を水で溶いて焼き上げた甘いおやつ。
「ポーポー」は小麦粉を水で溶いた生地に、油味噌などを塗って食べる料理。
ただ最近では色々な具を巻いた次世代のちんびん/ポーポーが登場していて、その違いはあってないようなモノになってきているようです。
ちんびん/ポーポーは沖縄料理が食べられるお店や沖縄県内のスーパーなどで購入できるほか、お家で手軽に作れる「ちんびんミックス」が沖縄製粉から販売されています。
ちなみに、沖縄では旧暦の5月4日(ユッカヌヒー)に子供の無病息災を願って神仏にお供えされる大切なお菓子でもあります。
2.【難易度★☆☆☆☆】かめせん
こちらも県内ほとんどのスーパーやコンビニに置いてあるメジャーおやつ玉木製菓の「かめせん」。
その名の通り、亀の甲羅のようなカタチをした揚げせんべいです。
本土でいうところの”つな揚げ(ひねり揚げ)”で、お米ではなく小麦粉で作られているのが特徴です。サックリ軽い食感で1つ食べると止まらなくなります。
定番はシンプルな塩味。
他にも梅味・しょうゆ味や、ひとくちサイズで食べやすい「小亀」などがあります。
オナカが空いている状態で開封すると、あっという間に1袋食べてしまう危険なおやつ。
いわれてみれば納得の商品名ですが、パッと脳内変換できなかったのでラインアップしました。
3.【難易度★★☆☆☆】塩せんべい
決して不思議な名前ではないのですが、名前から想像するモノと実物のギャップが大きい1品。
県内のスーパーではほぼ確実に置いてある県民にはお馴染みのおやつです。
写真はちょっとレアな「たから屋」と、スーパーで気軽に買える新垣製菓の塩せんべい。
ふわふわのおせんべいは絶妙な塩加減がついていて、おやつとしてだけでなく小腹が空いたときのお供にも最適です!
「塩せんべい」と名の付く商品は色々なメーカーが出していて、見た目こそ似ていますがシンプルな味ゆえに違いがハッキリと出るのが魅力。
先ほどの「かめせん」と同じく小麦粉をベースにしたおせんべいですが、最大の違いは焼き上げていること。そのため「かめせん」よりもあっさりとしています。
塩せんべいは、そのまま食べても充分美味しいのですが、チョコソースをかけて食べるという変化球があるのも特徴。
商品によってはチョコソースがセットになっているモノもあるほどメジャーな食べ方です。
“塩チョコ”や”塩キャラメル”など『甘くてしょっぱスイーツ』が一世を風靡したことを思えば、なんら不思議ではないかも。
沖縄ローカルおやつを制覇するのなら欠かすことができない1品です!
4.【難易度★★☆☆☆】なかよしパン
名前に”パン”と付いているからにはパンなのですが、頭の「なかよし」からは味の想像が全くできない商品。
沖縄の食卓を支える「ぐしけんパン」が誇る人気の菓子パンで、FMラジオなどではガンガンCMが流れています。
写真はハーフサイズですが、1個で664kcalという重量級。レギュラーサイズはこの倍あるので、日本の平均的な成人男性が1日に必要とするカロリーの半分以上が摂取できてしまう素晴らしいパンです。
「なかよしパン」には山があって、手でカンタン&キレイに分けることが出来ます。分け合えるから=なかよしというコトなのでしょうか。ちぎっていく感覚は子供のころ良く食べた”かにパン”に似ているかも。
どことなく懐かしいココア生地とバタークリームのコンビは誰もが納得の美味しさ。新発売の「なかよしパン ピーナッツ味」もオススメです。
商品名に反して、誰にもあげずに1人でコッソリ食べてしまいたいパンです。
5.【難易度★★★☆☆】くんぺん
「くんぺん(こんぺん・薫餅)」は遥か昔の琉球王国時代から伝わる、由緒正しい沖縄の伝統菓子。
かつては高級菓子として王朝に献上されていたそうです。
今でも、春の清明祭(シーミー)などでは定番のお供え物で、祭事の時期になるとスーパーにずら~っとクンペンが並びます。
「くんぺん」とヒトクチにいっても、高級品からリーズナブルなものまで種類は様々です。基本的にはホックリとした生地の中に、ゴマ・ピーナッツを使った香ばしい餡が入っています。
ちなみに筆者が食べた”人生初クンペン”は、首里駅にほどちかい武村松月堂さんのモノでした。以来、すっかりクンペンの魅力にハマっています。
お店によって味も大きさも違うので食べ比べもおすすめです。
6.【難易度★★★★☆】ムーチー
「ムーチー」とは月桃(サンニン)の葉で包まれた沖縄の伝統的なお餅です。
餅粉をこねて蒸したお餅は、月桃の爽やかな香りと優しい甘さがたまらない美味しさ。プレーンのほか黒糖や紅芋、ヨモギ、最近ではチョコ味などもあります。
旧暦の12月8日には無病息災や家内安全を願ってムーチーを食べる日があり、老若男女問わず盛り上がるイベントの1つです。
スーパーにはムーチーの日を迎えるためのグッズが並び、家の庭先などで月桃の葉を収穫するお母さんの姿も見かけます。
ムーチーの日は特に子供の健康を願う日でもあり、子供の年の数だけムーチーを部屋に吊るします。また赤ちゃんが生まれ、初めて迎えるムーチーの日は「初ムーチー」といって近所や親戚にムーチーを配る習慣があるそうです。
やわらかいムーチーも美味しいのですが、2~3日経って固くなり始めたモノを油を引いたフライパンでカリカリに焼くのも◎(知人に教えてもらいました)。
幸せなめぐり合わせにより、お家にムーチーがあふれた人はぜひお試しを。
7.【難易度★★★★☆】いちゃガリガリ
ガリガリという音から何となく『固いモノ』と想像できますが「いちゃ」ってなんだ?
というか「いちゃ」の謎が解けても結局「ガリガリ」がボヤっとしか分からない!
そんな謎の食べ物が新里食品の「いちゃガリガリ」。
その正体は”細いイカ(乾物のするめイカ的な)”に小麦粉の衣をガッツリつけて揚げた駄菓子。沖縄方言で「いちゃ=イカ」という意味でした。
パッケージの写真を見れば一目瞭然ですが、ガリガリしなきゃ食べられないくらい固いことから「いちゃガリガリ」という名前が付いた模様。
どれくらい固いかというと、「いちゃガリガリ」をガリガリ食べる前に、歯がガリガリ砕けそうなくらい固いです。
誇張ナシで、今まで生きてきた中でイチバン固い食べ物だった気がします。
何度か挑戦しているうちにコツをつかんでガリガリ出来るようになるのですが、ガリガリしているとじわ~っとクチの中に旨みが広がる感じでコレがウマイ。気が付けば無心でガリガリしていました。
お酒のつまみにすると驚異的なコスパを発揮してくれる1品です。
8.【難易度★★★★★】アンダカシー
さて、お次も分かりそうで分からない名前のおやつ。龍華の「アンダカシー(あんだかし)」です。
まずはコチラご覧いただきましょう。
お分かりいただけるだろうか・・・。
原材料名の横に記載されているのは「豚の皮」「食塩」の2つのみ。その左には「豚皮あげ」の文字が!
沖縄マニアの皆様ご存知のとおり、沖縄では昔から豚肉はお祝いの日に食ベる特別なモノとして重宝され『ブタは鳴き声以外は全部食べる』と言われているほど。
「アンダカシー」とは、沖縄の料理に欠かせないラード(ブタの獣脂)をとった後に残った「あぶらかす=アンダカシー」に塩ふったものを指すそう。
そう、これは1つもムダにせず、ありがたく頂戴するというオキナワン・ソウルが詰まったオヤツだったのです!
県内のファーマーズマーケットなどで「糖質ゼロ」のヘルシー(?)なオヤツとして売られているので見かけた際にはぜひお試しを。お酒のおつまみにサイコーです!
とはいえ、突き詰めれば脂のカタマリともいえるアンダカシー。
美味しさに負けて食べ過ぎると、確実に胸焼けを起こしますのでご注意を。
9.【難易度★★★★★】タンナファクルー
堂々のラストを飾ってくれるのは「タンナファクルー」。
主に小麦粉と黒糖を使った生地を焼きあげただけの素朴なお菓子です。先ほど紹介した「くんぺん」と見た目が似ていますが、クンペンが高級菓子なら「タンナファクルー」は庶民派のお菓子といったところ。
くんぺんと違い中に餡などは入っていません。
雰囲気としては懐かしいの”カルメ焼き”に近いですが、サクサクではなくネットリに近い食感。前歯にくっつきます。
県内では丸玉製菓のタンナファクルーが有名。
今回はまるひら製菓工場さんのタンナファクルーです。県内のスーパーに行けばメーカーは違えどほぼ確実にタンナファクルーを購入できます。
名前の由来には諸説あるようですが、まるひら製菓工場のパッケージによると
「玉那覇(たまなは)」=「タンナファ」
「黒い」=「クルー」
という意味で「玉那覇さんが作った黒いお菓子」と呼ばれていたモノがだんだん省略されて「タンナファクルー」になったそうです。
なるほど、なるほど。と一応納得。
感動するような美味しさというワケではないのですが、きっと多くの人が『懐かしい』気持ちになれる味です。
そんな「タンナファクルー」の半分は優しさで出来ていると信じてやみません。
10.まとめ
さて皆様、いくつ知っていましたか?
今回ラインアップした沖縄ローカルおやつは、どれも素朴なモノばかり。でもシンプルに美味しいものほど大人になっても、何回食べても飽きないですよね。
沖縄ローカルおやつには、県民に長年愛されてきた歴史や文化がぎゅっとつまっています。『食べたことない!』があった方は、沖縄訪問の際に是非その美味しさを堪能してくださいね♪