ただ今シーズン真っ盛りのホエールウォッチング。
温かい海での繁殖を求めに、多くのクジラが沖縄に来ています。
全国で見られる場所は沢山ありますが、沖縄は遭遇率が高いことで有名です。
さまざまなパフォーマンスで見る人を楽しませてくれて、ダイナミックな動きも魅力の1つ!
そんな野生のクジラを一度は見てみたい、と思ったことありませんか?
そこで今回は、沖縄でホエールウォッチングができる場所やツアーをまとめました。
4月までの限定期間を逃さずに、今年こそはチャレンジしてみましょう!
<もくじ>
1.沖縄のホエールウォッチングの基本情報
2.那覇から楽しむホエールウォッチング
3.中部(北谷)から楽しむホエールウォッチング
4.北部から楽しむホエールウォッチング
5.ホエールウォッチングを楽しむ注意点
6.ホエールウオッチング体験記~遭遇率98%は伊達じゃない!~
まとめ
1.沖縄のホエールウォッチングの基本情報
遠いシベリアからクジラがやってくる時期はおおよそ12月から。
繁殖期が始まり、去っていくのは4月頃と言われています。
日本でもあちこちクジラが見られる場所はありますが、最もポピュラーなのはやっぱり沖縄。
那覇市、北谷から出発してサンゴ礁がキレイなことで有名な慶良間(ケラマ)でのウォッチングや、北部でも楽しむことができます。
ポイントまでクジラを見に行く手段は船のみです。
主に高速船で向かいますが、それには意味があります。
実は、クジラはとっても臆病。小回りのきく高速船は怖がらせることなく接近しやすいんです。
毎日海を見ている船長が目を光らせてクジラを探しますが、その他にも地元の漁業組合との連携があり、見つかると無線で教えてくれます。
ご存じの通り泳ぐ生き物ですので、ポイントまで行ってみたけどいなかった、ということも・・・。
でも高速船はその名の通り早く移動できますので、クジラが見つかるとすぐさま次のポイントまで移動できるという気軽さもいいところです。
では、ホエールウォッチングの相場はどうなっているのでしょう。
2019年調べでは、沖縄県の相場は約3時間でおおよそ4,200円~4,500円です。
どこの催行会社も料金設定を同じにしているようですが、サービスが違ってくるのでご自分に合ったところを検討されると良いと思います。
そのサービスについては後ほどご紹介していきますね!
そして何より気になるクジラとの遭遇率ですが、沖縄は最も高い95%~98%と言われています。
なぜ高いかというと、先にご紹介した漁業組合の協力のほか、無線でやり取りをしながら催行会社同士が力を合わせていることも挙げられます。
悪天候時、波が高かったり強風などの場合は、どの催行会社も中止になるかと思います。
そうなってもいいように、ホエールウォッチングを楽しみたい方は初日の予約がオススメです。万が一中止になった場合でも代替えがききます。
2.那覇から楽しむホエールウォッチング
那覇発は慶良間諸島の座間味島近海が主なポイントになります。
那覇からは数多くの会社がホエールウォッチングツアーを実施しておりますが、今回はその中から「有限会社NEWS」さんを例に、ツアーの内容・様子をご紹介させていただきます。
有限会社NEWSで催行されているホエールウォッチングの大きな特徴は、予定が調整しやすいということです。
那覇発では1日で午前便・午後便と出ていますので、都合に合わせた動きができるのって旅行者にとっては嬉しいことですよね!
予定をギッシリ入れてアクティブに観光したい、飛行機の到着時間など色々とあるもの。
ツアーに合わせるのではなく、自分の予定に合わせて融通を利かせられるところは選びやすいと思います。
なお那覇発のツアーに参加される方は、那覇市内ホテルからは無料送迎付きという大変ありがたいサービスもあります。
これが本当に便利で、ホテルから直でツアーに参加したい!という方もレンタカーやタクシーなどを利用しなくても移動できるので、面倒な手続きも移動もなく、節約派にも嬉しいですよね!
そして心配なのが船の中。
最大3時間のツアー中はトイレや休む場所はあるのかなど気になる点が多いと思います。
でも大丈夫!!ツアーで使用している高速船はとっても清潔でトイレも完備されていますので、小さなお子様や女性も安心して参加できますよ!
ライフジャケット着用も必須なので、万が一のことがあっても安心です。
詳しくはコチラのリンクより、チェックしてみてくださいね。
3.中部(北谷)から楽しむホエールウォッチング
リゾートステイを満喫しつつホエールウォッチングも楽しみたい方は中部出発からのツアーがオススメです。
見るポイントは那覇発とほぼ変わらない場所になるため船が集中しますが、その分探す船も増えるため確率がグンと上がるのがいいところです!
大海原に回遊しているザトウクジラはサービス精神旺盛で、実にさまざまな動作をしてくれます。
もちろん人間に見せるための芸をしている訳ではなく、それぞれ意味があります。
その一部としてよく見られるのが威嚇行動でもあるしっぽの叩きつけ(ペダンクルスラップ)や、求愛する際に見られるジャンプ(ブリーチ)などなど・・・。他にも沢山あります。
クジラの迫力ある動作は、自然体そのものだからこそ「凄い!」と感じられるはずです。
動作がどういう意味を示すのかなども調べて、より楽しい時間を過ごしましょう。
詳しくはコチラのリンクより、チェックしてみてくださいね。
4.北部から楽しむホエールウォッチング
沖縄本島北部、美ら海水族館近くから出向するホエールウォッチングツアーもあります。
水族館の出口近くの海岸からも見える伊江島。じつは伊江島沖合はホエールウォッチングの穴場と呼ばれていて、船も少なく警戒心のないクジラが沢山います。
詳しくはコチラのリンクより、チェックしてみてくださいね。
5.ホエールウォッチングを楽しむ注意点
基本的に南国の沖縄県では、ホエールウォッチングを楽しめる冬でも温かく東京で言えば春並の気候です。
ただし海は別。
グラスボートとは違って高速船で素早く移動するため、外へ出ていると風をまともに受けます。
また、スピードを上げると強風により帽子が飛ばされる、揺れによりカメラを海に落とすなどのハプニングが無きにしろあらずです。
ですので、脱ぎ着ができるパーカーなどを羽織って乗船されることをオススメします。
カーディガン等は風を通すので、寒く感じるかも知れません。
なお頭を守る意味でも帽子は必要ですが、綿など軽めの生地でできているものは飛ばされてしまう可能性がありますので、ゴム付きなどのものを選ぶようにしましょう。
波の影響で船が上下に揺れることがありますが、カメラやビデオを撮影される方は大きく足を開いて身体をしっかりと支え、器材にストラップ、もしくは首にかけるなどして紛失や破損を防ぎましょう。
また一番心配なのが「船酔い」だと思いますが、実は近くを見ていると酔いやすいんです。
ですので、できれば遠くを眺めるように意識されることをオススメします。
それでもちょっとでも気持ちが悪いと感じ始めたら、揺れが少ない船尾へ移動するようにしましょう。
普段から酔いやすい方はあらかじめ酔い止めを飲んでから乗船するのが最善策です。
エチケット袋は用意されていることが多いですが、念の為持参しましょう。
6.ホエールウオッチング体験記~遭遇率98%は伊達じゃない!~
冬の沖縄旅行、その最終日。帰りの飛行機までなにしよう……?
そんなことを考えていた時、今の時期ならと勧められたのがホエールウオッチングでした。
朝からお昼にかけての時間帯で参加できる!
野生のクジラに会える機会なんてめったにない!
沖縄のホエールウォッチングは冬季限定!
「これだ!」と思い、すぐ申し込んだ私(女性・アラサー)の体験記をここではご紹介します。
【8:00】泊港へ集合
沖縄の1月半ばは、東京や大阪でたとえるなら11月前半。
気温はブラウス+カーディガンくらいで十分だけど、風が強い。
ウインドブレーカーやトレンチコートといった、アウターがほしいなという気候。
この日は快晴とはいきませんでしたが、青空も垣間見えるお天気。
とにかく雨でなかったことにホッとしました。
なんたって今日は海に出るんですから。
今回申し込んだのは、沖縄のマリンレジャー会社「とかしき」さんの、
『ケラマ諸島ナガンヌ島“プチ”上陸つきホエールウオッチング』8:30発コース
※今回ご紹介するホエールウォッチングツアー予約はコチラ
※その他「とかしき」催行ツアーはコチラからご覧いただけます。
泊港への集合は朝8時。
前夜は、沖縄旅行最後の夜を楽しく過ごしていたので、ちょっと辛かったんですが、夕方の飛行機で帰るんだから、仕方ない。
夜の便で帰る人、あるいは「朝の便で沖縄に到着!」という人は、13:00集合の昼コース(link!)もあります。
ホエールウォッチングは約4時間の船での冒険ということで、朝食は控え目にとりました。
(サラダとパン、スープを少々)
那覇市内の宿泊先からはタクシーで泊港へ。
泊港は、タクシー運転手さんならだれでも知っています。
ただ、一口に”泊港”と言っても、集合場所は港の北側にある、とかしきさんの営業所。
こちらは、タクシー運転手さんは知りませんでした。
一般に”泊港まで!”というと、定期船に乗る人たちのターミナル(東側)へ送ってくれます。
このターミナルからとかしきさんの営業所までは、2~3分ほど歩く距離。
急いでいる場合は、地図を見せて車を走らせてもらうといいかも。
中へ入るとカウンターがあるので、予約していた名前を申し出ます。
すぐにお姉さんが確認してくださって、パンフレットなどを渡してくれました。
受け取って、いざ船へ。
営業所を出て、道路を港側へと渡れば、そこが冒険のスタート地点です!
【8:30】いざ出港!
船に乗り込むと、まず救命胴衣を渡されます。
わずかながら揺れる船内でこれを身に付けると、船で海に出るんだ、という実感がわいてきたり。
私が乗船したのは平日でしたが、それでも20名は参加者がいたようでした。
思った以上に多いなという印象です。
土日や春休みともなると賑やかなんだろうなあ~と思いながら、救命胴衣を装備!
穏やかな港を眺め、出発時間を待ちます。
さて、8:25、いよいよ出発時間直前です。
スタッフのお姉さんが登場し、注意点やスケジュール、クジラが海上で見せてくれる動きについて説明してくれました。(この方がメインのガイドさんらしく、何かあるたびに皆へよく通る声でアナウンスしてくれました)
もう一人、中国語が話せる小柄な女性スタッフもいて、海外からのお客さまに説明してくれていました。
内容はこんな感じ。
・ナガンヌ島への上陸とホエールウオッチングが主な予定。
ナガンヌ島から行く予定だが、クジラが先に見られそうであればそちらからになるかも。
・救命胴衣は常に着用!(ナガンヌ島にいるときも念のため)
・船内にお茶が用意してあります!ご自由にどうぞ。
・トイレが船内にあります。ただし海に出ると、揺れている船でトイレに入るのは大変。早めがおすすめ。
・吐きそうになったらエチケット袋へ!トイレで吐こうとすると、揺れる狭い空間なため、さらに気分が悪くなることも……。
・酔わないコツは、強い心!「大丈夫!酔い止めも飲んだし!」と強く念じること。
・船の上では、方角を時計の文字盤に例えて伝えます。船の進行方向が0時。たとえばクジラが進行方向むかってやや右にいたら、「1時の方向!」という風に。
ひと通りお話しが終わると、さあ出航です。
ぐんぐん遠ざかる那覇の街並み。
いってきまーーーーーす!
【9:08】慶良間諸島のナガンヌ島へ上陸
港では穏やかだった海。
しかし港を出ると、スピードを増すごとに船が揺れる!
とはいえ、「絶対に立てない」というほどではありません。
揺れが前から後ろに伝わる、まさに波線のような動きを繰り返し、完全に那覇が見えなくなり、少し揺れにも慣れてきたころ慶良間諸島の姿が!
船のスピードが少しずつゆっくりになって、慶良間諸島の中でもいちばん那覇寄りにある、ナガンヌ島へ到着しました。
ガイドのお姉さんから島内の説明をうけ、ここで約30分、自由に過ごします。
ナガンヌ島は、夏になると観光客でにぎわうビーチリゾート。貝殻や珊瑚の欠片といった、”コーラルサンド”で成り立つ小さな島です。宿泊できるバンガローなどはあるものの、大きな建物はありません。
全体的になだらかな地形ですが、一か所、少し小高い丘になっている場所が。
ここから島全体の景色を見渡せます。
※夏に訪れた際に撮った動画です。冬はさすがに沖縄といえど海水浴はできません……
丘からの景色は360度が美しい海!これは島ならではの美しさですね。
ビーチへ行くと、さすが国立公園となった慶良間諸島!
エメラルドグリーンの海がとってもキレイです。
貝殻を集めてみたり、
カップルは波打ち際ではしゃいだり。
ただ、何も遮るものがない島なので、とにかく風が!強い!!
女性は、体を冷やさないよう、コート必須です。(私はストールを羽織っていただけで、とっても後悔しました……)
お散歩していると、あっという間の30分。船寄せ場に戻ります。
さあ、いよいよクジラの集う海へ―――!
【9:45】再び海へ!
ナガンヌ島を出て、スピードをあげていく船。
なんだか、さきほどよりも波が強いような……。
しかしこのとき、私は油断していました。
ナガンヌ島までの約30分、けっこう揺れたけれど酔わなかった。
酔い止めが効いているのでしょうか。
「なんだか、今日は船酔い、しないかも……」
そんな自信が命取りでした。
しばらくは水平線を眺めていましたが、睡眠不足&疲れで、だんだんウトウト……
【10:35】荒波の中で……
それは突然やってきました。
うたた寝していたのに、なんだか違和感がして、目が覚めてきたのです。
もう一度寝よう。
クジラが来るまで寝よう。
いま目覚めると、なんだかマズい気がする……
そう思い、目をつぶったのですが……眠れない。
どんどん晴れていく意識。
そのとき気づいてしまったのです。船酔いしていることに……!
船の揺れは絶好調。
ザッパーン!ザッパーーーーーン!!……と、揺れる水平線と私の体。
何かを持っていないと、座っているのも大変なくらいです。
目が覚めてくると、周りで、エチケット袋のお世話になっている人のうめき声が聞こえてきました。
つられないよう意識的に聞こえないフリをするも、ダメ。
意を決し、柱につかまりながらエチケット袋を取りに行き……
……
………
………………3分後、いろいろリバースした末、とってもすっきりしました。
【10:45】酔わないためには
私のように酔ってしまったのは、約20名中2~3名(私含む)だったと思います。
元気にしているお子さんも、私より年配の方もいました。
じゃあなぜ酔ってしまったのか。
酔い止めは飲んだし、起きているあいだはるか遠くの水平線を眺めていたし、強い気持ちで過ごしていたつもり。そのつもりだったんですが……
じつは私、もともと酔いやすい体質。
そして今日は、ナガンヌ島を出てトータル1時間以上の船旅。
その中で、寝てしまったのが最大の敗因でした。
穏やかな天候の日なら、誰もが耐えられないほどの揺れではないと思います。
ただし、油断しないこと。
できれば人とおしゃべりして気を紛らわせること。
もしものときは、いさぎよく一度エチケット袋を使うこと。
思い切って負けを認めたほうが、すっきりリセット・再スタートしやすいと思います。
【11:00】あの水しぶきは……!
お茶を飲んで、ぼーーっとしていると、ふたたび船のスピードが落ちてきました。
そして外には、おそらく同じ目的をもっているだろう小型船の姿が。
ここはどこだろう。
スマホの地図アプリを起動すると、
地図の右側にあるのは渡嘉敷島。
ずいぶん遠くまで来たことがわかります。
しばらくすると、「2時の方向です!」との声。
船の先頭部分へみんなが集まります。すると……
!!!
いました!
しばらく待っていると、ふたたび……
クジラが移動したら、私たちも移動。
待つこと2~3分でまた水しぶき!ときおり、背びれ・尾びれも見えました。
この日は、船から約40~50メートルほど離れたあたりにクジラが出現しました。
カメラの性能やシャッターを切るタイミングの問題もありますが、
パンフレットに載っているようなクジラは、千載一遇のタイミングで撮られた特別なものなのかもしれません。
広い海原を見渡し、一瞬の出来事を見逃さないよう集中する……
水しぶきがでるたび、「わあっ」と声が上がります。
写真だとなかなか伝わりにくいのですが、海原に突然の水柱がでると、何度もドキッ。
みんなで「3時の方向!」「尾びれ見えた!」と言い合い、なんだか一体感すら生まれる。
この感覚、流星群の日に流れ星を待っているのと似たような感覚です。
さらに、しばらく続けていると、「あのヘンにクジラ、いるかも……」と、なんとなくわかるようになってきました。
姿は見えなくても、ピンポイントで白波がたっていたり、海の色が浅く見えたりするのです。
40分ほどでしょうか。
みんなでクジラを探しては歓声をあげる、特別な時間を経て、私たちは那覇港へと戻りました。
【12:30】ただいま、泊港。感じたことは……
予定通り、12:30ごろ那覇港へ到着。
4時間の船旅でした。
ナガンヌ島での滞在時間を除き、ずーっと船旅。一度エチケット袋のお世話になったこともあり、正直言って、体は疲れ切っていました。
船を降りてからしばらく、泊港ターミナルのベンチでぼーっと休憩しました。
でも、あとからジワジワとくる、「あぁ、私ホントにクジラを見たんだなあ……」という実感。
こんな機会、二度とないかもしれません。一つの冒険を終えた達成感とともに、那覇空港に向けて美栄橋駅を目指すのでした。
まとめ
ホエールウォッチングができるのは、わずかな期間しかありません。
野生のクジラとの出会いは、いち個人ではなかなか叶えることが困難ですよね・・。
何でもそうですが、感動という感情は人間ならでは。その体験は人生にとっても貴重で、特に子供は情操教育にも大いに役立ちます。
大海原での厳しい現実、出会えた時の言葉にできないうれしさや感動はどうしても写真だけでは伝わりません。
料金もお得で遭遇率も高い沖縄で、ぜひご自分で感動を体感してみて欲しいと思います。