ⓒ琉球村
突然ですが、「キジムナー」という生き物をご存知でしょうか?
沖縄で古くから言い伝えられている「キジムナー」は、ガジュマルの木で暮らす精霊。
沖縄のテレビ局や観光施設のマスコットキャラクターとしても用いられ、沖縄県民ならほとんどの人が知る、おなじみの存在です。
かつてはアニメのゲゲゲの鬼太郎、最近ではディズニー映画スティッチにも出演、何となく見たことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はそんな「キジムナー」とは一体ナニモノか、ということについてお教えします!
<目次>
1. キジムナーってどんな生き物?
2. 人間と仲良し?怒らせると超怖いキジムナー
3. キジムナーと会えるかもしれないスポット
4. おわりに
1. キジムナーってどんな生き物?
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キジムナーは昔から沖縄で言い伝えられている、精霊(妖怪)。
その多くがガジュマルの古木に住み、赤い髪で背丈は人間の子供程度だと言われています(諸説あり)。
いわゆる妖怪とはちょっと違い、キジムナーには性別があり、大人になると結婚をして家庭を持ちます。中には人間に嫁ぐものもいるというのだから驚き!
そもそも妖怪は年を取らないものだと思っていたので、子供とか大人の区別があること自体意外。しかし精神年齢はいつまで経っても子供レベルで、ちょっかいを出すのが好きないたずらっ子な一面もあります。
食事は魚介類が中心で中でも魚の左目が大好物、漁港で目玉がない魚がいたらキジムナーの仕業とも言われています。キジムナーを連れて漁に行くと必ず大漁になるありがたい存在でもあるんですよ。
人間と共存するスタイルを持つキジムナーは、一緒に漁に出たり、夕食時に薪を借りに来たりなど、フレンドリーなところがまた妖怪らしくない点と言えるでしょう。
キジムナーと仲良くすると、お金持ちにもなれるそうです。
赤髪のやんちゃな子供、しかもフレンドリーで人間と共存しようとしてるなんて聞いたら、一目会いたくなってしまいますよね♪
2. 人間と仲良し?怒らせると超怖いキジムナー
ⓒ琉球村
そんなフレンドリーなキジムナーですが、調べていくうちに恐ろしい一面があることが分かってきました。
何でも、ひとたびキジムナーに嫌われると、容赦なく人間を殺してしまうのだそう。表と裏のギャップが激しすぎるよ・・・キジムナー。
では、どんなことをするとキジムナーを怒らせてしまうのでしょうか?
キジムナーは人間のおならとタコと鶏と熱い鍋蓋が苦手と言われていて、キジムナーの前でおならをしたり、タコを投げつけると一目散に逃げるのだそう。
彼らの家であるガジュマルの古木を切ったり、燃やすこともそれに値します。
うまくいけばそのまま永遠の別れとなりますが、怒って仕返しに来ると、とことん成敗されてしまうのです。
例えばおならをしたらそのまま足首をつかんで海で溺死させられたり、ガジュマルの木を燃やしたらその仕返しに家から出られないようにして焼死させられたり、調べれば調べるほど恐ろしいエピソードが上がってきました。
また仕返しに付随してどんないたずらをするかも調べてみたところ、これまたひどい。
赤土を赤飯に見せかけて食べさせたり、木の洞などの狭い所に人間を閉じ込めたり、夜道に灯る明かりを奪ったり、などなど。
調べていると「人間に害を及ぼさない妖怪」っていう説明書きを目にするのですが、キジムナーさん、ちょっと怖すぎやしないでしょうか?
少なくとも私にとって、そこらのおばけより怖い存在になりつつあります。
次項ではそんなキジムナーに会えるかもしれないスポットをご紹介します。
3. キジムナーに会えるかもしれないスポット
①ガジュマルの木が生い茂る森
沖縄ラボ内でもご紹介させていただいている沖縄県南部の「ガンガラーの谷」や「斎場御嶽」は、緑がたくさん生い茂る森。
キジムナーはガジュマルの古木を住み処にしているので、こういった森林に行けば、もしかしたら会えるかもしれません。私も先日北部のパワースポット「大石林山」へ足を運んだのですが、日の光がわずかにしか差し込まないエリアもあって、なんだかキジムナーがいそうな雰囲気を感じましたよ。
②キジムナーを呼び寄せるのもひとつの手
故意的にキジムナーに会うのもひとつの方法。例えば夜中に口笛を吹いたり、体調が悪い時などは、キジムナーに遭遇しやすいと言われています。
キジムナーを呼ぶ子供の遊びもあり、静かで暗い場所に円を描いて、その中に白い粉をまぶします。そして中心にロウソクを立てて、隠れて20秒間呪文をとなえると、キジムナーの足跡がついているそうです。
キジムナーを一目見てみたい方は、一度試してみてはいかがでしょうか?
4. おわりに
キジムナーの実態について迫ってみましたが、いかがでしたでしょうか?
キジムナーは「人間に害を及ばさない木の精霊」という漠然としたイメージを持っていたのですが、ちゃんと調べてみるとそうでもなかったようです(笑)
県内の至るところでマスコットキャラクターとして用いられているので、ちょっと気にしてみてみると意外な所で会えるカモしれません。
気になる方は、ぜひ街中で探してみてくださいね!