北谷町を拠点に沖縄の伝統工芸“紅型(びんがた)”を作成する「BLANCJUJU(ブランジュジュ)」。
明るく軽やかなBLANCJUJUの紅型は、着物やオリジナル小物、沖縄県内のリゾートホテルやキャンペーンモデルの制服、最近では航空会社オリジナル商品のデザインとして起用・コラボレーションするなど、様々な商品となり広く親しまれており、知らず知らずのうちに目にしている事もあるかもしれません。
「紅型を日常に」という思いのもとに立ち上げられたBLANCJUJUは、北谷を代表する逸品“北谷ブランド”にも認定されています。
今回はBLANCJUJUのオーナーデザイナーである吉水さんに、紅型作りについてお話を伺ってきました。
・紅型を日常に
・現スタイルの出発点~布以外にも紅型を~
・新たなる挑戦-カジュアル着物-
もくじをすべて表示
紅型を日常に
紅型に魅せられて沖縄に移住した吉水さん。沖縄県内の紅型工房で12年間務め、体力的に新しい事を始めるなら今しかないと思い、2015年に独立しBLANCJUJUを立ち上げました。
「紅型を知らなくても、シンプルに可愛いと思って手に取ってもらいたい」と語る吉水さんの紅型は、明るい色合いがとても可愛らしい印象。
伝統的な紅型は、沖縄の自然風土を感じられる鳥や花をモチーフとして豊かな色合いで表現。それは中国的な華やかさと日本的な優美さを兼ねそなえた琉球文化の美そのもの。
BLANCJUJUも沖縄の花や鳥などをモチーフに使いますが、吉水さんがいいなと思ったお花やバティック模様なども取り入れています。
色遣いは作家の個性が発揮されるポイント。作家ごと大体10色ほどベースになる色があるそうで、作家の感性が紅型にも自然と顕れるのです。
男性向けのアパレル商品も色鮮やか。かりゆしは出張で沖縄入りする場合や結婚式に参列する場合など注目を集めそうです。
現スタイルの出発点~布以外にも紅型を~
BLANCJUJUの紅型は吉水さんの感性で生み出されるオリジナル柄と、手染めした布をもとにデザインをデータ化する点が特徴。
データ化するアイデアは、紅型とガラスを組み合わせたいと思った事が発端だったと言います。
また緻密で莫大な手作業によって生み出される紅型がどうしても高価になってしまう事は、紅型を日常的に使ってほしいと考える吉水さんにとって大きなネックでしたが、データ化が打開策となりました。
「紅型は、型紙を彫って、その型紙を使って布にデザインを映し、染色。次は染色した部分に糊を被せて色が付かないように“糊伏せ”という作業をしてから地色を塗ります。その後定着や糊を落とす作業などがあり、紅型はとにかく緻密で手のかかる作業の繰り返しなんです。
大きな布を作るのがとにかく大変。例えば着物を作るなら約13.5mの布が必要で、デザインだと75パターン程度必要です。(※1パターンは大体A4サイズより少し大きい位)
細かいデザインだと糊伏せの作業が1パターンあたり1時間弱かかってしまうんです。
昔、湿気の多い時期だったという事もあるんですが、1週間ほどかけて糊伏せ作業をしていたら、最初に手掛けてた部分にカビが生えてしまって“パァ“になってしまいました。」
デザインをデータ化する事で、紅型をふんだんに使った着物が作れるようになり、また布以外にも紅型を広げられるようになりました。
大好きな紅型を日常的にもっと使いたい・使ってほしいという思いが原動力となって、今のBLANCJUJUのスタイルがあります。
新たなる挑戦-カジュアル着物-
BLANCJUJUでいま一番力を入れているのが「カジュアル着物」。
お値段もカジュアルに、紅型着物を日常的に着て欲しいと新分野に挑戦しています。
BLANCJUJUの着物・浴衣はHPで販売している他、北谷町内の事務所兼ギャラリー(要事前連絡)で見ることもできます。
また、美浜アメリカンビレッジ近くの「うとぅいむちプロジェクト」ではBLANCJUJUの紅型浴衣の着付け体験ができます。
ホテル売店などでも小物を中心に商品を取り扱っている所がありますので、BLANCJUJUの紅型を探してみてください。
- 住所
- 沖縄県中頭郡北谷町桑江588-15スカイフラワー桑江1F
- 営業時間
- 11:00-19:00(休日:火曜日)
- 備考
- ギャラリー見学希望の際は事前にご連絡ください
- 住所
- 沖縄県中頭郡北谷町美浜15-15
- TEL
- 098-880-6661
- 営業時間
- 10:00-17:00
- 備考
- 体験メニューは事前予約制です