沖縄自動車道の最北端である許田ICから約40分。やんばる国立公園の森の中にある「やんばる世界遺産センター(ウフギー自然館)」は、まるでやんばるの森に入り込み、大きな図鑑の中を歩くように自然を学べる施設です。
360度に広がる映像と音で森を体感したり、動物の毛皮に触れたり、ヤンバルクイナなどの生き物の秘密を知ったり。子どもも大人も、見て・触って・発見しながら、やんばるの生き物を学べます。
世界自然遺産に選ばれた「やんばるの森」。その豊かな自然と、そこに暮らす生き物たちの世界をのぞいてみましょう。
はじめに:日本で5カ所のみ世界自然遺産「やんばる」
エントランスでは世界自然遺産に登録された理由をもとに「世界自然遺産とは?」「やんばるとは?」が学べます。パネルの他、やんばる固有種の模型も展示されており、「こんな生き物がこの森に暮らしているんだ!」と、実際の姿を想像しながらやんばるの世界に入っていけます。

▲エントランス▲
日本の5つの世界自然遺産(①知床、②白神山地、③屋久島 ④小笠原諸島 ⑤奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島)の各地域には、世界的にも貴重な固有種や絶滅危惧種が生息しています。
沖縄島北部にあたる通称「やんばる」とは、国頭村・大宜味村・東村の3村を中心とした地域で、やんばるの最高峰・与那覇岳をはじめとする山々と、その周辺には豊かな亜熱帯照葉樹林が広がっています。沖縄県でもごく限られた地域であるやんばるに、絶滅危惧種や固有種など、貴重な生きものが集中して生息しているのです。
森のシアター(プロジェクター)~目で見て、音で感じる森のシアター~

▲やんばるの森▲
エントランスの奥に進むと、プロジェクターに包まれた空間へ。朝から夜にかけての森の中の様子を約10分間の映像と音で体感できます。やんばるの森でしか聞けない生き物の声や音が響き渡り、まるで森の中にいるかのような臨場感です。

▲ヤンバルクイナ▲

▲リュウキュウヤマガメ▲

▲ケナガネズミ▲
映像は日の出から始まり、壁も床も緑に包まれます。最後には空一面の星空まで。
スクリーンを見るだけでなく、映像が浮かび上がる床へと実際に立ち入り、森の中を散策しているような没入感でした。思わず見入ってしまい、気付けば3回も繰り返し観ていたほどです。
森のギャラリー(ジオラマコーナー)~やんばるの音に包まれながら、森のなかに飛び込んで

▲ジオラマコーナー▲
やんばるの森の音に包まれながら、森と渓流に住む生きものたちを観察することができるジオラマコーナー。先ほど映像で見ていた動物は森の中のどこにいるの?実際はどんな大きさ?を知ることができます。

パネル展示~まるで大きな図鑑の中で生き物リサーチ~
次に進んでいくと、それぞれの生きものたちの個性豊かな生態を実物展示や映像で紹介されています。外からの光が差し込むこのエリアでは生き物の分類ごとに展示がされており、大きな生き物図鑑に飛び込んだかのよう。生き物たちの意外な一面が次々と見つかり、あれもこれもと見たくなります。


ここで私が驚いた展示を1つご紹介!
それはこちら、「ヤンバルクイナは時速40キロ!森のスプリンター」
日本で唯一の飛べない鳥として知られるヤンバルクイナ。翼はあるものの、進化の過程で足の筋力が発達。オリンピック選手並の速さで走る驚きの生態!
鳥なのに、走る!こんなパワフルな脚力を持つ鳥がやんばるにいるなんて、道を走っていたら出会えないかな〜とわくわくしてしまいます!

▲ヤンバルクイナの実際の映像も見ることができます▲

▲ケナガネズミのブースではケナガネズミの毛皮を触ることができます!▲

▲気になる本を手にとり読んでみることもできます!▲
やんばるの自然を未来に繋ぐため私たちに何ができる?
展示の締めくくりでは、やんばるの自然を未来に繋いでいくために今の私たちに何ができるのかを学んでいきます。
近年では、道路による影響で交通事故や排水溝へ落ちることで死亡してしまう「ロードキル」が深刻な問題となっています。

被害を繰り返さないようにするために、生き物が道路に出てくるのを防ぐフェンスが設置されたり、ドライバーの注意喚起を促す標識の設置などが行われています。

▲ロードキル注意喚起のマグネット▲
展示全体を通して、やんばるに生きる生物とその多様性を楽しく知る事ができました。また同時に、私たちが生き、生活している場所は私たちだけのものでもない事。知らないうちに大切な命が失われるかもしれない、でもその命を守れるのもまた私たちなのかもしれないとも感じました。
アクセス・営業時間
館内には、沖縄の方言で「おしゃべり」や「団らん」を意味する「ゆんたく」を楽しめるスペースもあり、お子さま連れのご家族もゆったりと過ごせます。
豊かな自然と、そこに息づく貴重な命が育まれてきた「やんばるの森」。
次の沖縄旅行では、ご家族や大切な人と一緒に「やんばる世界遺産センター」を訪れてみてはいかがでしょうか。やんばるの森について知り、豊かな自然の中で育まれてきた命の息吹を、ぜひ身近に感じてみてください。
- 住所
- 沖縄県国頭郡国頭村比地263-1
- 営業時間
- 10:00〜17:00【休館日】月曜日、祝祭日(みどりの日、こどもの日をのぞく)、年末年始 、慰霊の日 (6/23)
- 備考
- 入館協力金:300円(中学生以上)※協力金はやんばる世界自然遺産の保全や環境教育に活用されます。

あき
WEBライター、看護師、ヨガ講師。岐阜生まれ岐阜育ちの私が、沖縄の海と自然に惹かれ今帰仁村へ移住しました。やんばるの自然の中で出会った、心と体がほっとするような、 ”とっておき” の場所や味をご紹介します。
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